アロマセラピー
心と体に働き掛ける
アロマセラピーというと、“心地よい香りでリラックス”というイメージが強いと思います。これもアロマセラピーにおける大きな働きの一つですが、それだけではありません。アロマセラピーに用いられる精油にはそれぞれの植物由来の薬効成分が含まれており、咳(せき)を静めたり、かゆみを抑えたり、といった成分も含まれています。
フランスやベルギーではこれらの薬効成分を利用し、医療行為としてアロマセラピーが長らく認められてきましたが、日米においてはまだリラクゼーションの一つという認識で、十分に医療分野での活用がされていないというのが現状です。
では、アロマセラピーはどのように心や体に働き掛けるのでしょうか? そのカギとなるのは、匂いを感じ取る仕組みにあります。簡単にお話しますと、精油の芳香成分が嗅神経を刺激して電気信号を発生させます。その信号が脳に伝達され「匂い」として感知されるのです。この匂い信号は脳の深いところにある視床下部や大脳辺縁系に直接作用するため、情動行動に影響を与えることが明らかになってきています。そのため、香りによって人は気分が良くなったり、リラックスしたりするのです。
また、自律神経の乱れにより起こる不眠症が、精油の香りを嗅ぐだけで改善されたり、軽減されることがあるのはこのようなメカニズムによるものなのです。
それらに加え、呼気や経皮吸収により体内に取り入れられた精油の化学成分が、薬理的に体に作用を及ぼすことも明らかになってきています。その薬理特性は精油により異なりますが、抗炎症作用、抗菌作用、抗真菌作用、鎮痛作用、抗ヒスタミン作用、ホルモン様作用など多岐にわたります。
これらの作用により、花粉症の諸症状の緩和や皮膚疾患、痛みの緩和に効果を発揮するのです。
このように、アロマセラピーは多方面から、心にも体にも働き掛けてくれるのが大きなメリットの一つといえるでしょう。
(次回は1月第2週号掲載)
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