〈コラム〉ケン青木の新・男は外見 第101回

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“スーツ”について その2

manスーツ、そして背広と日本語の言い方はありますが、どちらにいたしましてもできることならば正しく着るために基本についてきちんとした勉強をされるに越したことはありません。

現代において、私たち日本人は着物を正しく着られるようになるために、着付けの“学校”に通ったりします。日本以外の国では、民族衣装の着方は祖父母から父母へ、そして子供たちへといったように、家庭や地域社会の中で受け継がれて行くのが一般的で、学校に通って習うということはまずありません。そして不思議に思うことは、外国から突然入ってきたスーツなど、洋服についてはその着方、しゃくし定規な言い方をするならば着装の仕方とその振る舞い方については、着物のように学校で習おうということがほとんどないのです。もしかしたら私たちは、洋服にはルールがあっても、とりあえず自由に着てもいい、それが個性、などと思っているのかもしれません。でも決してそのようなことはないことは、本当は私たちもウスウスながら感じているのではないでしょうか。大変残念ながら、このアメリカやヨーロッパ、すなわち、欧米社会においては私たちの日本よりも階級社会であり、そのため見た目で判断されてしまうことがより多いのですね。平等とは法の下における平等を意味するのであって、決して無条件に得られるものではないようなのです。

正直、文章で書いて表現してご理解いただくことは、この場での字数が制限されていることもあり、かなり難しい部分があるとは思いますが、少しずつスーツ、洋服について日本の雑誌においてはあまり語られていないことについて書いていきたいと思っております。

今回一つだけ強く言いたいこと、それは皆さんが今暮らしているのは、日本ではなく世界の首都ニューヨークなのだということ。決してスーツ、洋服をナメてかかってはいけない、ということです。スーツ、洋服についてきちんと理解をした上で、個性的に装えるようになれば思いのほかこの街では良いことが待っていることでしょう。それではまた。

(次回は2月13日号掲載)

32523_120089421361491_100000813015286_106219_7322351_n〈プロフィル〉 ケン青木(けん・あおき) ニューヨークに21年在住。日系アパレルメーカーの米国法人代表取締役を経て、現在、注文服をベースにしたコンサルティングを行っている。日本にも年4回出張。

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