行動すれば引き出せる「蓄積」ができる
私はアイデアを実行する前に思考のリハーサルをするとお伝えしましたが、たくさん行動し、自分にたくさんの経験を与えることも、とても有効だと思います。色んなことをやってみると、たくさんのことを感じ、知識も増えます。それを自分の引き出しに蓄積としてしまっていくのです。すると、何かがあったときに、引き出せるものがある状態になります。
行動しないで考えてばかりいると、何も蓄積ができません。私は子どものときから何でもやってみたかったので、30代くらいになるともう行動の蓄積がすごい分量溜まっていました(笑)。これが思考のリハーサルができるようになる素地となりました。
行動の分量を増やすためには、どんな依頼にも「はい、やります。」と答えてみるのがおすすめです。依頼する側は私がやり遂げられる確率が高いと思うからこそ依頼してくれたのに、断ってガッカリさせてしまっては、二度と期待してもらえないでしょう。ノーと答えることは未来の可能性まで潰すことになるわけです。
初めて連載の依頼を頂いた時、あれは本当に良い経験でした。最初は本当に原稿がうまく書けず…でも繰り返すと、上手になって、速くなっていくものなのですね! 毎回インターネットで調べ物をする必要もあって、インターネットでの検索はそれで上手になりましたから。何でも、やればやるだけ血となり肉となり、それが他の物事にも繋がって、やがて自分を助けるのだと学ぶきっかけとなりました。
思考のリハーサルが難しく思える方は、とにかく何でも制限しないでやってみるところから始めてみるのはどうでしょう。どうしてもイエスと言えない場合も、ノーと答えず、代替案を考えて提案することで可能性が広がります。私はいつもそうしているので、それで更に「いそがなくっちゃ(注)」になってしまうのかもしれませんが。(笑)
(注)「いそがなくっちゃ」は何でもやってみたくて子どもの頃から忙しかった川野社長につけられた、子どものころのあだ名。
(続く)
かわの・さおり 1982年に和包丁や食器などのキッチンウエアを取り扱う光琳を設立。2006年米国レストラン関連業界に貢献することを目的に五絆(ゴハン)財団を設立。07年3月国連でNation To Nation NetworkのLeadership Awardを受賞。米国に住む日本人を代表する事業家として活躍の場を広げている。
(2017年10月21日号掲載)
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