自分に合ったクリニックとは

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妊活のとびら NY不妊治療ストリーズ 第3回

不妊治療の第1関門である病院選び。インターネットや雑誌の広告、口コミなど、今や情報は簡単に入ってくるが、数ある中から自分に最適な治療と医師がいる病院に巡り合うのは予想以上に難しい。通院してみたものの何かしっくりこない、成果もでない。転院を決意した時には治療を始めてすでに数年が経過している…なんて話もざらに聞く。一体みんなはどうやって病院を決めているのだろうか。前回=3月13日号掲載=に続き、当クリニックの日本人コーディネーター・トモコに、自らの経験から見るクリニック選びのポイントについて聞いてみた。

大学病院の看板よりストレスフリーなクリニック

トモコが不妊治療を決意した際、まず四つの病院やクリニックのコンサルテーションに足を運んだ。決めたのは、豊富な実績と信頼のある有名大学病院のクリニック。ニューヨークでも3本の指に入る有名クリニックというフレコミは、当時不妊治療ビギナーの彼女にとって大きな安心材料だった。

けれど、現実は想像していた以上にストレスフルな環境だった。モニタリングの時間は早朝のみ。しかも待ち時間が長く、毎回違う医師や看護師が対応するため、主治医と顔を合わせて話せる時間はごくわずか。採卵や移植は隣接する提携病院で行われ、別途施術の手続きや追加の費用が掛かるうえ、施術当日は初めて顔を見る医師が執刀するなど、不安ばかりが増大した。

めでたく2度目の体外受精(IVF)で長女を授かったものの、第2子妊娠への挑戦では、幼い子供を抱えながらのストレスフルな治療環境に身も心も疲れきってしまった。

そんな中、友人の紹介で出会ったGlobal Fertility and Genetics(GFG)には、彼女が抱える問題を克服するのに十分な技術や設備、そして治療環境があった。大学病院と比べ規模こそ小さいものの、待ち時間がなく、毎回同じ担当医が直接診察や施術を行う安心感。採卵や移植も同じクリニック内で完結し、複雑な保険の手続きはファイナンシャルコーディネーターが一任。担当医や看護師、コーディネーターとのスムーズなコミュニケーションやフレンドリーな雰囲気が、彼女にもう一度不妊治療に挑戦する意欲を与えた。

実績や評判よりも自分の判断

口コミや実績は貴重な判断材料ではある反面、落とし穴もある。不妊治療は原因も年齢も治療法も千差万別。口コミや友人からの“お墨付き”は信頼できるけれど、人と人とに相性があるように、自分に必要な治療や医師が必ず他人と同じとは限らない。実績も同様。妊娠率の高さは魅力的だが、通院する患者の条件によってその妊娠率は大きく異なる。例えば、妊娠率90%と謳っている病院があり、その実績を信じて通院を決めたものの、後から知ったのは、患者の大半が20〜30代前半、IVFなどの高度生殖医療を必要としない夫婦という実態。その病院で40代の夫婦が同じ妊娠率を期待するのは残念ながら難しいだろう。

コンサルテーションは、自分に合った医師や病院を見極める貴重な場。根拠に基づいた納得のいく説明、自分が求める結果を実現できうる最新の治療技術と設備、患者ファーストの考え方、医師たちとの円滑なコミュニケーション、クリニックの雰囲気、医療保険のフォローなど、自分とってストレスフリーな環境で「一緒に頑張ろう」と思えるクリニックを選ぶことが妊活成功へのカギとなるだろう。

(次回は5月第2週号掲載)

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