〈コラム〉雇用維持と採用促進策「部下に刮目(4)」

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人手不足(14)

「HR人事マネジメント Q&A」第26回
HRMパートナーズ社 人事労務管理コンサルタント
社長 上田 宗朗

今回も前回=5月27日号掲載=の記事に続きますが、企業が「従業員意識調査(以下:同調査)」を実施するには「注意と工夫」が必要であり、前回の記事では事前にクリアにしておくべきこととして(1)従業員にいつどこで同調査に答えて貰うべきか?(2)同調査の質問量は?(3)同調査の回数または実施する間隔は?を挙げ、とりわけ(3)の考察部分が重要だと説きました。そして今回は続く「(4)『設問』の仕方」について取り上げます。

(4)「設問」の仕方は?:今、管理職である皆さん方が部下たちについて、最も知りたい彼彼女たちの胸中は何処にあるでしょうか。

例えば、皆さん自身が彼彼女たちへの自社の待遇がそれほど良くないと分かっており、部下たちは給与額やベネフィットの内容を一番問題視している筈と思っているのか。あるいは、与えている職務が単調な作業や繰り返しばかりで彼彼女たちの向上心や愛社精神を育めずにいると感じているのか。

それとも、前々回=4月22日号掲載=に取り上げた「ワーク/ライフバランス」、すなわち在宅勤務の割合および働き方自体に不満があるのだろうと踏んでいるのか。それに常に接する同僚たちを好きになれず仕事に集中できないことに不満ありと感じるのか、はたまた、日頃から上司の業務手順やゴリ押し・独断決定に苦言を呈したり不満を漏らすことも多く、彼彼女たちに対する敬意が足りないと感じているのか、合わせて管理職レベルへの厚待遇(と一方的に思っている)が目立ち、対する彼彼女たち非管理職レベルの扱いが不公平…集約すれば「尊敬できない上司」…だと感じていると推し量るのか。

それよりなにより皆さんが根本的に知りたいこととして、彼彼女たちが職務量を多いと考えるのか少ないと考えるのか、働きたい(通勤したい)オフィス環境だと誇っているか、延いては会社自体を好きでいてくれているか、までも挙げられます。

以上、とりあえず思いつくことを列記してみましたが、これら上述の中からまたはこれら以外から、先ずは真っ先に知りたいことの焦点を絞り、次いでそこから細分化していく形で設問段階に入ること、そして個々の質問自体もできるだけイエスかノーかまたは5段階基準で簡単に選べるていにするのが肝要です。次回は「(5)答えさせ方」を取り上げます。

(次回は7月22日号掲載)

上田 宗朗

〈執筆者プロフィル〉うえだ・むねろう  富山県出身で拓殖大学政経学部卒。1988年に渡米後、すぐに人事業界に身を置き、99年初めより同社に在籍。これまで、米国ならびに日本の各地の商工会等で講演やセミナーを数多く行いつつ、米国中の日系企業に対しても人事・労務に絡んだ各種トレーニングの講師を務める。また各地の日系媒体にも記事を多く執筆する米国人事労務管理のエキスパート。

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