34丁目にある老舗デパート「メイシーズ」の向かいに昨年、新たな経営戦略で作られた「ターゲット(Target)」のスモール・フォーマット(Small Format)のお店=写真=へ。すぐ隣には、大手化粧品量販チェーン店「セフォラ(Sephora)」の同社最大規模の大型店があるなど、周辺はマンハッタンの中でも抜群のショッピング・エリアの1つ。つまり、立地、最高。でも、このお店の魅力は立地だけじゃありません。
このヘラルド・スクエア店は、ターゲットが新成長戦略の軸として打ち出したスモール・フォーマットのお店(=小型店舗)のモデル・ケースなのです。なので、CNBCは「小売業者が小型店舗を重視する理由を示してる」と報道。
その最大の理由は、(1)無人レジ、在庫管理システム、同日配送も含めたロジスティックス(最小限の在庫、サンプルのみの展示で別の場所にある倉庫から配送するなど)…などなどの最新テクノロジーを活用し、これまで出来なかった店舗運営の効率化や生産性の向上も可能になったこと。
また、最新テクノロジーを活用した店舗運営により、(2)これまで郊外などでの広いスペースでの大型店が一般的だった大型量販店が、都市中心部での小型店としても成立する『新しいビジネス』に生まれ変わったこと…も、今、小売業者が小型店舗を重視するようになった理由の1つと言えるでしょう。つまり、ちゃんと最新テクノロジーを活用できる小売業者には、これまでなかった新しい選択肢、新しい道、新しい未来…がそろそろ見えてきた、ということ。それだけ小売業に関連する最新テクノロジーが熟し、実用化が進んできたという状況なのですね。
とにかく、非常に興味深い社会現象、最新トレンドの1つと言えるでしょう。
りばてぃ
「ニューヨークの遊び方」(nyliberty.exblog.jp/)作者。Liberty & Friends, Inc.の創設者。米国で事業を展開する日系企業向けにマーケティングを中心とした各種コンサルティング業務を提供するほか、各種メディアとのコラボレーションを行う。