高校生で帰国する際の進学先の選択肢(その3)

0

英語力を保持・向上させるための選択肢となるインターナショナルスクール

「在米親子にアドバイス」日米の教育事情
米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人

高校生で帰国する際に、海外生活が長期にわたったり、海外在住中に日本語での学習に取り組んでいなかったりする場合には、入学試験や編入試験に合格するのも厳しくなることもあり得ますし、入学・編入後に授業に授業についていけないという問題が起こる可能性もあります。また、英語の方が強い生徒や、せっかく身に付いた英語力を帰国後も保持・向上させたい生徒、高校卒業後には海外の大学や日本の大学の英語プログラムへの進学を考えている生徒などは、帰国後も英語で授業の受けられるインターナショナルスクールを選択すると良いでしょう。

ただし、インターナショナルスクールの中には、文部科学省認可の学校ではないため、日本の高校卒業資格がなく、日本の大学が受験できないという学校もありますので注意が必要です。一方で、インターナショナルスクールには、国際バカロレア・ディプロマプログラムを設置しており、国際バカロレア(IB)資格が取得できる学校もあります。国際バカロレア資格を取得すれば、海外の大学への進学の道が開けます。

また、インターナショナルスクールには寮が設置されている学校もあり、帰国後の保護者の住所に関係なく進学できるというメリットもあります。加えて、ハーバード大学など海外の大学などで定評のあるメソッドで教育を実践する学校も登場していることも注目に値します。

以下に、日本の高校卒業資格が取得できる主なインターナショナルスクールを記します。

〈日本の高校卒業資格取得可能なインターナショナルスクール〉
・コロンビアインターナショナルスクール(埼玉県所沢市)*寮
・ケイ・インターナショナルスクール東京(東京都江東区)*IBDP
・アオジャパン・インターナショナルスクール(東京都練馬区)*IBDP
・アメリカンスクール・イン・ジャパン(東京都調布市)
・ユナイティッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(長野県軽井沢市)*IBDP
・国際高等学校(愛知県日進市)*IBDP《2022年開校予定》
・名古屋国際学園(名古屋市守山区)*IBDP
・同志社国際学園高等部(京都府木津川市)*IBDP
・京都インターナショナルユニバーシティアカデミー(京都府田辺市)
・大阪YMCAインターナショナルハイスクール(大阪市西区)
・関西インターナショナルハイスクール(大阪市阿倍野区)*寮
・コリア国際学園高等部(大阪府茨木市)*IBDP
・福岡インターナショナルスクール(福岡市早良区)*IBDP
・沖縄クリスチャンスクールインターナショナル(沖縄県中頭郡)

*IBDP:国際バカロレア・ディプロマプログラム認定校。
*寮:寮のある学校。ユナイティッド・ワールド・カレッジISAKジャパンと国際高等学校は全寮制。

各校の特色や入学方法等の詳細は、各校のウェブサイト等をご覧ください。

(写真提供:名古屋国際中学校・高等学校)

丹羽筆人【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校教員・学習塾講師を歴任。「米日教育交流協議会(UJEEC)」を設立し、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース北米事務所、名古屋国際中学校・高等学校、国際高等学校、名古屋商科大学北米担当、サンディエゴ補習授業校指導教諭を務める。
◆米日教育交流協議会(UJEEC)
Website:www.ujeec.org

●過去の掲載●

Share.