受験校からの連絡事項をしっかり確認し、事前準備を進めたい
「在米親子にアドバイス」日米の教育事情
米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人
新型コロナウイルス感染症は、なかなか終息しそうもありません。これは入試にも影響を与え、特に帰国生入試においてはオンライン入試が増加しています。受験生や入試実施担当者が試験会場に足を運ばなくてよく、感染リスクを回避できるからです。従来、海外入試を実施していた学校ではオンライン形式で行うことが多く、そうではない学校でもオンライン入試を導入する動きが出ています。オンライン入試は受験生にとって、自宅で受験できるというメリットがありますが、いくつか注意したい点がありますので、ご説明させていただきます。
1)インターネット環境を整備
インターネット回線の速度が遅く切断しやすい、画像がフリーズするなどのトラブルが起こると受験を棄権せざるを得なくなります。事前に受験校との確認テストが行われた際に気になった場合は、すぐに環境を整えましょう。また、兄弟姉妹と同時に受験をする場合には、音声がハウリングしたり、画面がフリーズしたりするような問題が起こる可能性もあるので事前に確認しましょう。また、保護者は同じ部屋で立ち会うことができず、万一トラブルが起こった際に手助けをできないこともありますので、予めその際の対処方法をお子さんに伝えておきましょう。
2)試験時間を確認し体調を万全に
試験時間は北米の時間に合わせているわけではありません。試験時間が深夜や早朝になることもありますので、眠くなり実力を発揮できなくなることのないよう体調に気をつけましょう。数日前からは試験時間に合わせて勉強するようにするのもよいでしょう。
3)受験校からの連絡事項をしっかり確認し、質問は早めに
受験校からの連絡はしっかり確認しましょう。オンライン会議システムのアプリのダウンロード、IDやパスコード、入試問題や解答用紙の印刷や答案の送付方法などオンライン入試受験に必要な情報が連絡されます。連絡事項についての質問は早めに連絡しましょう。また出願後はメールチェックをこまめに行い、受験に必要な情報が送られてこない場合は早急に連絡することをお勧めします。
4)面接での目線の練習や音声確認を
画面上の面接官の顔を見て話すと、目線がずれて見えてしまいます。カメラを見て話をするよう心がけましょう。保護者とともに練習しておくとよいでしょう。また、面接官に音声が聞こえないようなことがあってはいけません。オンラインでは対面よりも聞こえにくいこともあります。聞き取りやすい話し方をする練習もしましょう。
このほか、オンライン入試は自宅で受験できることにより、緊張せず受験できる一方で、リラックスしすぎて実力が発揮できないというようなこともあります。適度な緊張感を持って受験できるような環境を整えてあげられると良いでしょう。
(写真提供:名古屋国際中学校・高等学校、国際高等学校)
【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校教員・学習塾講師を歴任。「米日教育交流協議会(UJEEC)」を設立し、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース北米事務所、名古屋国際中学校・高等学校、国際高等学校、名古屋商科大学北米担当、サンディエゴ補習授業校指導教諭を務める。
◆米日教育交流協議会(UJEEC)
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