まずはストレッチの定義と分類を知ろう

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ストレッチで身体を楽に(1)

〈コラム〉瓜阪美穂「理学療法士が教えます」 身体が痛い本当の理由 【第8回】

 

andresr19582-urisaka1015身体を楽にするためにストレッチを取り入れることが日本でも流行っていると聞きますが、正しい定義をご存知ですか? それは「筋肉を伸ばす」ことです。筋肉を伸ばすことで、可動範囲を大きくし、身体を楽にしようとするのがストレッチの基本で、筋肉を収縮する動きはストレッチとは呼びません。

靭帯や関節には関係がないので、身体の動きが悪く、ストレッチが有効かどうかを判断したければ、まず「靭帯が固い」のか「関節が固い」のか「筋肉が固い」のかを判明させます。そして、「筋肉」が原因の場合だけ、ストレッチが有効ということがわかるのです。

このストレッチには2種類あります。静的ストレッチ〈スタティック・ストレッチ〉は、運動後、筋肉が急速に固まってしまうのを防ぐために行うストレッチで、スムーズなクールダウンに有効です。実はこの動き、筋肉の繊維を弱くすることもあるので、筋肉を酷使した後に行います。ジャンプなど負荷の大きくかかる運動の前にしてしまうと怪我を招く危険性もあります。対象的なのは動的ストレッチ〈ダイナミック・ストレッチ〉で、こちらは「筋トレ」のような動きで、筋肉を実際に動かしながら行うもので、繰り返し実施することで筋肉を作り上げていく効果があり、運動前のウォーミングアップに最適です。

やり方も目的も全く違うこの2つ。自分の目的にあった方を正しく選択することが重要です。次回以降この2つについて解説していきましょう。

(次回は11月第3週号掲載)

瓜阪美穂〈筆者プロフィル〉
瓜阪美穂(うりさか みほ)  理学療法博士、整形臨床スペシャリスト。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校を卒業後、南カリフォルニア大学理学療法博士課程を修了。ブロードウェイミュージカルのダンサーの理学療法士としても活躍中。米国の理学療法により、自身の身体に興味をもち、正しい動作を生活に取り入れることを目的に治療や指導を行っている。
【ウェブ】https://omptny.com/ja/

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