静的ストレッチと動的ストレッチの2種類

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ストレッチで身体を楽に(2)

〈コラム〉瓜阪美穂「理学療法士が教えます」 身体が痛い本当の理由 【第9回】

 

000047-0059-002269前回のコラムでは、ストレッチの定義は「動きを楽にする目的で筋肉を伸ばし、身体の可動範囲を上げること」だということについて説明しました。具体的には2種類あり、ひとつは運動後のクールダウンやリラックスに適した静的ストレッチ〈スタティック・ストレッチ〉、もうひとつは、筋トレのように筋肉を使い、可動範囲をコントロールしながら行う動的ストレッチ〈ダイナミック・ストレッチ〉です。

このうち静的ストレッチが一般的にストレッチだと認識されることの多い動きです。アキレス腱を伸ばすとか開脚して30秒そのまま固定し、普段伸ばさない筋肉を伸ばすなどの動きが代表例です。この静的ストレッチを行う上でのポイントは2つあります。1つ目はこのストレッチは気持ち良く筋肉の伸びを感じることを理想としています。例えばアキレス腱を伸ばす場合、膝後ろからかかとまで気持ちよく伸びる感覚があれば正しく筋肉がストレッチされていますが、ピリピリとした感覚がある場合は神経が伸びているので気をつけましょう。足首の手前が固いと感じる場合はアキレス腱のストレッチよりも関節の治療が必要になります。2つ目のポイントは、静的ストレッチを行うと筋肉の繊維が伸びきってしまい筋肉が一時的に弱くなる為、ジャンプやランニングなどの激しい運動の前に行うと怪我に繋がる可能性があります。静的ストレッチは運動後に筋肉が急速に収縮して固まってしまうことを防ぐ目的で行いましょう。

(次回は12月第3週号掲載)

瓜阪美穂〈筆者プロフィル〉
瓜阪美穂(うりさか みほ)  理学療法博士、整形臨床スペシャリスト。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校を卒業後、南カリフォルニア大学理学療法博士課程を修了。ブロードウェイミュージカルのダンサーの理学療法士としても活躍中。米国の理学療法により、自身の身体に興味をもち、正しい動作を生活に取り入れることを目的に治療や指導を行っている。
【ウェブ】https://omptny.com/ja/

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