お金に困らない豊かな生活を送るには 所有しているものを整理しよう
昔、私の家に荷物が多くて、自分が何を持っているのか把握できていないときがありました。しかしあるとき、ものだけではなくお金についても、自分自身が把握できていないということに気づいたのです。 まずは自分がいま、何を持っているのか、家に何を置いているのかを把握し、不要なものは捨てて整理し、身軽になってみましょう。さらに、資産価値が残るものであればキープし続けておき、資産価値が残らないと判断できるものであれば買わないというような基準を設けて、整理するのも一つの方法だと思います。持っているものが把握できるようになれば、何にお金を使ったのかもしだいに明確になってくるものなのです。 私は今後、「ものを持つこと」がステータスでなくなる時代がやってくると考えています。最近の若い世代は、自動車やマイホームを持たない傾向にあります。必要なときにだけレンタカーを借りて利用するという志向になってきています。これは、すでに所有することがステータスではなくなった…という意識が浸透しつつある証だと、私は感じています。 「いつかはマイホームを」という考えもあるかと思いますが、今後本当に必要になるのでしょうか? これを機にじっくり考えていただければ、と思っています。 30代の人の多くは、将来的に親から家を相続して、そこに住むことも可能です。そのため、わざわざ住宅ローンや修繕・改築費用などの金銭的リスクを負ってまでマイホームを買わなくても、相続するまで賃貸に住んでいればいい、と考えることもできると思います。 財布にあいている「支出」という財布の穴をふさいで、お金に困らない豊かな生活を送るためには、ムダなものは買わない、持たない、所有することにこだわらないライフスタイルをぜひ、皆さんも意識してみてくださいね。 (次回は12月第1週号掲載)
〈プロフィル〉泉 正人(いずみ まさと) ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長、神戸夙川学院大学客員教授。経済入門から資産運用までの幅広いファイナンシャル教育を行う。受講者が18万人の「お金の教養」=写真=プログラムをニューヨークでも開催。http://us.Financial.ac