「永野・森田公認会計士事務所　日下武」ビジネスのツボ　第10回

ハリケーン「サンディー」が猛威を振るいましたが、皆さんは大丈夫だったでしょうか。私は自宅、事務所とも停電中で、実はこのコラムを書いている今現在も電気が来ているクライアントのオフィスを使わせてもらいながら仕事をしています。夜になると充電式のランタンを少しずつ使いながら過ごすのですが、資源の大切さを実感させられます。
今回の災害でとても多くの被害が出たと思いますが、オバマ大統領の迅速な対応は共和党の議員も称賛しているようです。選挙前だからという人もいるかも知れませんが、もし、オバマ大統領がこの災害というピンチをチャンスに変えたのであれば、それはリーダーシップを見せることのチャンスを生かしたということであり、大統領自身、強いリーダーシップをもっている現れにもなります。６年ほど前の高校サッカーで面白い話を聞きました。その高校の選手たちは個人技に優れていました。いつも敵に囲まれたときを想定して、どうやって格好良く切り抜けるかを考え、練習をしていたようです。この高校の選手達はこうして危機を楽しみ、危機こそが自分が目立つチャンスだと考えていたのかもしれません。もちろん、切り抜ける技術が身についてこそ、危機を楽しめると思うので、ものすごい練習をしたと思います。そして、この高校はその年に日本一になったそうです。
実は私も営業をしていた頃、同じようなことを考えながら仕事をしていました。レストラン営業をしていた時は、受注、出荷、配達、いろいろな事件が起きました。例えば、お米の在庫が切れてしまった時に、“お米が品切れです。申し訳ございません。”といっても、お客さんからは“米がないのにどうやって寿司を握るんや！”と怒鳴られるだけです。そこで、どうしたら、このピンチをうまく乗り切れるかよく考えたものです。私はこういう場合は、自腹をきってでも米をグロッサリーに買いに行き、それでレストランの前まで行き、電話をしたものです。“お米が品切れしてしまいました。なので、同じものを買って持って来ました。今、店の前にいますのでドアを開けてもらえますか”。そうすると、お客さんは、怒るどころか喜んで品入れを手伝ってくれたものです。問題が起きても相手の立場になり、解決策を用意して連絡することで、信頼を得ながら解決することができました。ピンチはチャンスです。ポジティブ思考でビジネスを成功させてください。 （次回は12月８日号掲載）

（「WEEKLY Biz」2012年11月10日号掲載）

〈プロフィル〉　日下　武（くさか　たけし）　永野・森田公認会計士事務所ＮＪ拠点マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を活かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーまで、幅広く顧客を持つ。【ウェブ】www.nagano-morita.com/　Tel：201-363-0050　E-mail：tkusaka@nagano-morita.com　2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ
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