2013年4月5日、米移民局 (USCIS) は14年度のH―1Bビザ申請数が上限枠に達したことを発表しました。申請受付開始から5日間以内にH―1Bビザの発給枠が一杯になったため、USCISはこれ以上申請を受け付けません。
申請受け付けから5日間、通常の発給枠 (学士号) の6万5000件と上級学位(修士号以上)向けの2万件を含め、およそ12万4000件のH―1Bビザ申請をUSCISは受領しました。従って、その期間に受領した申請者の中から抽選で審査するケースを選ぶことになります。
13年4月7日にUSCISは、コンピュータに基づくランダムな選択方法 (抽選) によって、H―1Bビザの発給枠分の申請者を選びました。まず2万件の修士号枠の抽選を行い、その枠がいっぱいになったため、抽選に選ばれなかった修士号以上の学位を持つ申請者は、その他の学士号向けの申請者とともに、今度は6万5000件の学士号向け発給枠分のランダムな選出が行われました。
12日、当事務所は抽選に選ばれた最初のケースとして修士号のプレミアム・プロセスのケースを受け取りました。そして15日には、やはり抽選で選ばれた修士号のプレミアム・プロセスではないケースも受け取り始めました。
抽選に選ばれた嘆願書は申請料の受領書を受け取り、抽選に選ばれなかった嘆願書はその雇用者または弁護士事務所に返却されることになります。
多くの雇用者やH―1Bでの被雇用候補者にとって、この抽選による方法は不満の残るものでしょう。米国でのH―1Bビザによる雇用ニーズを満たすには、この発給枠が十分でないのは明らかです。現在の枠数は25年前に行われた調査に基づいており、明らかに時代遅れです。近い将来、新しい法制度によってこの発給枠が増えることを願います。
H―1Bビザの延長、条件の修正あるいは変更、雇用者の変更、同時に後半3年分(延長)のH―1B申請については、引き続き受け付け・審査されます。
13年5月のグリーンカード・ビザ・ブルティン
5月1日から、EB―3のプロフェッショナル/熟練労働者向けサブカテゴリーのカットオフ・デートが、日本を含む多くの国について5カ月以上早くなります。これによって、時間が掛かっていたEB―3のカテゴリーの審査に変化がみられると思われます。5月には労働証明書(あるいは最初のグリーンカードの段階)が07年12月1日以前に申請されたケースは、プロセスの第3段階および最終段階に入ることができるようになります。この最終段階では、永住者へのステータス調整のためのフォームI―485の申請が必要です。東京の米国大使館で審査されているグリーンカードのケースについては、米国大使館がグリーンカード審査の最終インタビューを予定することができます。
ビザ・ブルティンは、米国務省が毎月発行しています。ここでは家族ベースおよび雇用ベースのグリーンカードを含むさまざまなグリーンカードのカテゴリーについてのウエイティングリストの状況を伝えています。多くの人が特定のカテゴリーに申請した場合には、そのカテゴリーは混み合います。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
(次回は5月25日号掲載)
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(「WEEKLY Biz」2013年4月27日号掲載)