日本でのサマーキャンプを振り返って
日常生活でも日本語の使用と日本的なマナーの実践を
今年で8年目を迎えた米日教育交流協議会の主催する日本語・日本文化体験学習プログラム「サマーキャンプ ◇ ぎふ」は、例年にない猛暑の続く中ではありましたが、すべての日程を無事終了することができました。ここではサマーキャンプ実施中に感じたことを述べさせていただきます。
今回の参加者は小学生が9人、中学生が8人、高校生が2人の合計19人でした。また、男子が7人、女子が12人で中高生の女子が目立ちました。例年多くの参加者が初対面であるにもかかわらず、すぐに仲良くなるのですが、今年は例年に増して仲良くなる時間も短く、あっという間ににぎやかになったような気がします。また、今年の参加者には例年以上に積極的に学ぶ姿勢が見られました。オリエンテーションでは、日本語で大きな声であいさつをすることとお礼を言うことを教えますが、それをしっかり実践でき、お世話になった学校や寺院やホストファミリーの皆さんから、礼儀正しい子どもたちであると高評をいただきました。また、より多くの人々と日本語で会話をすることを目標に掲げていますが、出会った人々に積極的に話し掛けていましたし、日本語が決して得意ではない子どもでも日本語を使って話そうと努力する点が素晴らしいと思いました。
一方で、例年同様に、話を聞くときの姿勢や食事のマナーについては見直すべきことが多いと感じました。話を聞くときに話し手の顔を見ることをしない、人が話しているのに私語をする、話を聞くときに頬杖を突いたり突っ伏したりする、足を組んだり、椅子に浅く腰掛け背もたれを使ったりして座る、室内でも脱帽しないなどというような様子が見られました。また和室では女子でも胡坐をかいたりしますし、食卓に腰かけたりまたいだり、立膝を付かず立ったまま配膳するようなこともありました。食事の際には茶碗やお椀を持たないで置いたまま食べたり、肘をついて食べたりする子どももいました。
このようなことは海外と日本との生活習慣の違いにより生ずるのですが、日本や日本人と関わる社会で生きるためには必要なことです。そして、大人になってからではなかなか直せないものですので、子どもの内に身につけるようにしたいものだと思います。そのためには日常的に意識して生活することが大切です。米国の社会で実践することはなかなか難しいことですが、家庭内では日本語の使用と日本的なマナーで過ごすことを心がけてはいかがでしょうか。(次回は8月第4週号掲載)(「WEEKLY Biz」2013年7月27日号掲載)
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