集夢計画3「夢は人類の原動力」

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アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第5回

今井雅子さんと筆者。手には「てっぱん」のポストカードと「集夢計画」のイベント商品であるバックとラッキークマのキーホルダー

「夢」は人生における大切な要素と私は考えます。ここでいう夢とは、“将来実現したいこと”という意味で話していきますが、「夢を持つ」「夢を追う」「夢を実現」させることは人間にしかできません。理性をもつ人間だからこそ、夢の実現に向かって進むことができるのです。歴史を振り返っても、人類の進化や発展が夢から始まったことは明らかです。

夢を集めて映画を作る「集夢計画」プロジェクトは、アーティストとしての私の夢であり、夢の実現でもあります。しかし、夢の実現がどれほど難しいか、よく分かっているつもりです。連戦連敗でも夢に向かって挑み続けている人がまわりにはたくさんいますから。

社会の現実もまた夢とは程遠いように見えます。経済大国といわれてきた米国や日本の景気が回復する気配はなく、自然環境はというと、地球規模の気候の変化が猛暑や寒波を引き起こし、地震や水害などの災害が頻発し、その規模は人類の存続が危ぶまれるほどです。

このような現状で夢を持つのはつらいことかもしれません。しかし、今だからこそ、あえて私は夢をテーマに取り組もうと思うのです。夢と情熱(感性)、そして理性を持って行動することが、人間である私の唯一前進につながると信じているからです。

この夏、「集夢計画」を応援してくれる人たちを訪ね、台湾と日本を回ってきました。学習の旅です。東京のボランティアのユカさんが呼び掛けてくれた集まりで、愛知万博の時に応援しくれた今井雅子さんに再会しました。今井さんは松竹映画「子ぎつねヘレン」の脚本や、今月27日から始まるNHKの連続テレビ小説「てっぱん」の原作を手がけるなどの売れっ子作家です。
彼女からおもしろいと言われたのは「物々交換」の発想でした。

林世宝

〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック

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