訪日促進イベントにニューヨーカーも多数
「ジャパンウイーク2017」6回目の開催
日本政府観光局(JNTO)主催の訪日促進イベント「ジャパンウイーク2017」が8日から3日間、ニューヨーク中心部のグランドセントラル駅構内で行われた。同イベントは、東日本大震災から1年後にあたる2012年から日本の素晴らしさを知ってもらい減少した訪日客を呼び戻す目的でスタート、今回で6回目の開催となった。
今年のテーマは「日本の伝統と革新(モダン)」で、会場の中央に京都から招いた庭師、鳥賀陽百合さん、小林達彦さん、山口鎌作さんにより造成された迫力ある石庭を再現。在ニューヨーク日本国総領事館の髙橋礼一郎総領事・大使も、「日本の伝統文化である禅ガーデンの素晴らしさを知ってもらい、ぜひ日本に観光に訪れてほしい」と、オープニングセレモニーで石庭の存在をアピールした。
会場では、デモンストレーションや参加型のワークショップなども行われ、来場した米国人男性は、「こんなに素晴らしく繊細な庭園は見たことがない。もっと米国にも広まってほしい」と話した。
鳥賀陽さんは、日本の庭園文化の認知度の低さに疑問を持ち、外国人への同文化の訴求活動にも力を入れている。「もっと多くの人に日本の庭園文化を知ってほしい。日本庭園というものが遠い存在ではなくどこにいても楽しめるということを知ってほしい」、そんな思いを込めて、今回の石庭の素材は全てニューヨーク近郊のものを使用したという。
会場は、庭園を囲む形で観光や物産、伝統的な産品など多彩なブースが並び、来場者に訪日観光の魅力を伝えた。
モバイル・通信会社のテレコムスクエアは訪日の際のWiFiの必要性をオリジナルの動画を交えながら来場客に啓蒙した。
旅行会社のJTBでは、第2次世界大戦中におよそ6000人にのぼるユダヤ人に「命のビザ」を発給したことで知られる「東洋のシンドラー」とも呼ばれる杉原千畝氏のゆかりの地、岐阜県八百津町などを回るユニークなツアーをはじめ、たくさんの魅力的なツアーを紹介した。ほかにも、旅行関連企業としてIACE TRAVELなどが出展した。
また、JR東日本は高速鉄道の展示や時速320キロを体感できるシミュレーターを使い日本の技術力の高さをアピールし、多くのニューヨーカーの目を引いた。
FUJIFILMの呼び掛けで、会場内ではフォトコンテストが実施され、来場者が出店ブースを楽しむとともに写真撮影する姿が多く見られた。体験型のブースもあり、幅広い層の来場客がイベントを満喫した。
(2017年3月17日号掲載)