購入から手放す時までの値段価値を見据えて検討
「買い手と売り手、相互に共通理解を深めることが大切」。そう話すのは、自動車ディーラー「EAST COAST TOYOTA」(ニュージャージー州ウッドブリッジ)の加藤明さん。長年にわたりニュージャージーの大手自動車ディーラーで営業とメカニックのマネジャーを兼務し、今年6月からトヨタのディーラーで日本人マーケットのセールスコンサルタントとして在籍している。来店者に車を勧める前に、米国の車事情や販売の仕組みなどについて説明し、支払い総額で損をしない車選び、カーライフプランニングを提供している。
▽車の財産価値
車の購入を検討する際に一番気になるのが値段。「初期費用や車両本体価格の安さに目がいきがちですが、購入から手放す時までの値段価値を見据えて購入することが重要」と加藤さん。
例えば、3万ドルのボルボの新車と、1万8000ドルのトヨタ・カローラの新車を比較した際、売却時に高値で売れるのは後者のカローラである場合が多い。これは需要と供給の関係で、米国では富裕層と中間層が少ないことから、高級車のニーズが低く、大衆車が高く売れるためだという。また、2ドアより4ドアに乗る人の絶対数が多いため、中古車ディーラーはよく売れる4ドアを高く買い取るとされている。
中古車購入の際に気をつけたいのが維持に掛かる費用。中古車である以上、故障する不安はつきもので、新車のような信頼性は期待できない。安く購入できても車の状態によっては多額のメンテナンス費用が掛かることもあり、結果的に車体購入価格と同等の維持費が掛かることも少なくない。
▽リースの利点と注意点
リースの最大の利点は、少ない初期費用と月額払いで車を所有できることにある。特に、高額の車に乗る場合、リースは非常に手軽なシステムといえる。しかし、ここで気をつけたいのが、広告・宣伝などで表示してある料金以外にかかる税金や登録代、銀行費用、傷をカバーするプログラム、GAP保険等々の別途料金(ハイディングプライス)。リースはローンと違い、一般には知られていない隠れた費用が多いため、信頼できる人から十分に説明を受けることが重要である。
「車市場は人対人。各顧客に合ったより良い選択肢を提案することが私の役目」と加藤さん。幅広く親身に対応してくれる。
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加藤さんは「中古車と新車、どちらにすべき」「クレジットヒストリーがないが、ローンを組んだり、リースは可能か」「リースとローン、どっちが得か」「アフターサービスの詳細」「相場はどのぐらいか」など米国の事情を伝授してくれる。また、「ディーラー巡りをする時間がない」「高額で下取りや買い取りをしてほしい」「トヨタ車以外の日本車や米国車、欧州車がほしい」などさまざまなケースにも対応している。
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加藤 明(かとう あきら) 日系マーケッティング担当兼セールスコンサルタント 米国東部最大級のDCH Paramus Hondaの日系担当セールスなどを経て2011年Daiwa Harmony Group Inc.を設立。多くのディーラーと提携しながらより良い顧客サービスを目指す。Daiwa Harmonyを主管しながら、14年6月からEAST COAST TOYOTA日系マーケッティング担当兼セールスコンサルタントも務める。米国の車事情に精通しており(社)日本自動車販売協会連合会の北米ツアー講師を務めたこともある。これまでに300社以上の日系企業駐在員の車売買を手伝っている。
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EAST COAST TOYOTA
【住所】85 Rt. 17 South Woodridge NJ 07075
【ウェブ】www.eastcoasttoyota.com
【電話】201-939-9400
【FAX】201-939-6529
【日本語ライン】914-646-6278(加藤)
【Eメール】EastCoastToyotaNJ@gmail.com【営業時間】(月―木)午前9時~午後9時、(金・土)午前9時~午後5時、(日)休
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2014年10月4日号掲載)