〈Topic〉震災後に誕生した人気商品「気仙沼くわ茶」

0

ダイエットや便秘の悩みにも米でも話題、購入できる

14men-CIMG2392-02-1

エイトクの佐藤則文代表

14men-kuwacya

「気仙沼くわ茶」

14men-CIMG3881-1

自宅は津波第一波で流され、震災前まで自宅があったこの場所は現在、土砂・砂利置き場となっている

今から4年前の東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市で、震災後に誕生した人気商品がある。株式会社エイトクの「気仙沼くわ茶」だ。最近ではその品質の高さで米国でも注目を集め始めている。

エイトク代表の佐藤則文さんは、震災後に同社を立ち上げ、以前養蚕業を営んでいた農家と提携し、余った桑の葉からお茶を生産する新たなビジネスをスタート。同社が生産する「気仙沼くわ茶」は栄養価の高さや味の良さで話題となり、日本だけでなく海外からも注文が入る人気商品となった。

2014年には、明治神宮・秋の大祭期間中の全国特産物奉献行事の特産物の一つとして同社のお茶が選定された。この行事は全国の都道府県を代表する約400点の特産物が神前に献上される毎年恒例の行事で、1963(昭和38)年から毎年実施されているもの。2014年には宮城県から10品目が対象となり、「気仙沼くわ茶」は気仙沼からの唯一の選出となった。
現在、同社ではオーガニック認定の申請中で、認定後は米国内でも「気仙沼くわ茶」をオーガニック製品として販売することが可能となる予定。
既にインターネット上では「スムージーに入れて飲んでいる」「抹茶よりも飲みやすい」などの評判が口コミで広がっており、オーガニック認定後の売上げの伸びに期待が高まっている。
11年の東日本大震災の津波で佐藤さんは自宅を失い、現在も仮設住宅で暮らしているが、米国の支援団体「サマリタンズ・パース」の支援を受け、親戚宅から間借りした土地に事務所を設営。現在はそこを気仙沼くわ茶の「仮事務所」として同社を運営している。
仮設住宅での暮らしは災害公営住宅が設置される17年10月以降になる予定でそれまでは不便な暮らしが続く予定だが、「今の暮らしを前向きに受け入れ、明るく元気にがんばります!」と語った。

●ダイエット中の人へ
桑の葉に含まれる「I|デオキシノジリマイシン」は食事で摂った糖分が小腸から吸収されることを遅らせる。またダイエットで不足しがちな鉄分と亜鉛が桑の葉から摂取できるのがうれしい。
●便秘で悩んでいる人へ
食物繊維がたっぷり含まれた桑の葉をお茶にすることで、食物繊維と水分を一緒に手軽に摂取できる。
●中性脂肪やコレステロールが気になる人へ
桑の葉に含まれる食物繊維やフラボノイドは、コレステロール値や中性脂肪値を下げる効果が期待できる。
●貧血の人へ
鉄の吸収を阻害するタンニンが桑茶には含まれていないので、摂取量を気にすることなく飲める。(コーヒーや緑茶にはタンニンが含まれており、貧血になりやすい場合、摂取するのは好ましくないとされる)
●カフェインが気になる人へ
桑の葉茶はノンカフェインなので、小さい子供や妊婦でも日常的に飲める。桑葉に含まれるy-アミノ酪酸(GABA)はリラックス効果があるとされ、就寝前にもオススメ。

14men-CIMG2538-02-1

初夏のころ。気仙沼の元気なお母さんたちの手作業で桑の葉の摘み取りが行われる

◇ ◇ ◇
米国での購入はamazon.com(www.amazon.com/dp/B00E6742AM)もしくは、シアトル・ベルビュー・ポートランドの日系スーパー宇和島屋内(600 5 Ave. South, Seattle, WA)で。英語での商品名は「Kesennuma Kuwa-cha(Mulberry Tea)」。好評につき煎茶が完売、現在はパウダーのみを取り扱う。(煎茶の取り扱いも再開予定)
気仙沼くわ茶・公式サイト】www.kesennuma-kuwacha.com
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2015年3月7日号掲載)

Share.