捏造報道の歴史からなど歴史認識の大切さ学ぶ
「南京大虐殺は事実であったのか」
ニューヨーク歴史問題研究会は1月23日、第42回例会(1月例会)「記録映画にみる「南京大虐殺」の虚構―謂(いわ)れなき国家の汚名返上に向けて―」を開催した。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)が世界記憶遺産に、旧日本軍による「南京事件」に関する資料を登録したことから、「南京大虐殺は事実であったのか」について考察された。同会会長の高崎康裕氏が講師を務めた。
まず、「南京事件」が「南京大虐殺」とも呼ばれ、期間や規模などが論議されていることから、「南京入城時の状況とその後の大量虐殺捏造(ねつぞう)報道の歴史」が説明された。当時の写真を何枚も紹介し、南京攻略戦で旧日本軍を率いた元司令官の大将、松井石根司令官下命も取り上げ、「何十万人もの虐殺があったとは思えない」と高崎氏が説明すると、うなずきながら、写真に見入る人が多く見られた。
「何十万人もの虐殺があったとは思えない」として、当時の南京市略図、外国人15人による自治組織「南京安全区国際委員会」の統計や、当時の米・英のマスコミ報道も示された。どのようにして「約30万人」という“大虐殺”となっていったかを、高崎氏が時系列で追うと、聴衆はその分かりやすい説明に聞き入った。
東京裁判では「南京暴虐事件」として、殺害規模は軍民合わせて20万人余とされ、松井石根大将は虐殺命令を行ったとして絞首刑とされた。
その後、日本国内でも、朝日新聞などが「20万人以上」として報道したり、教科書や百科事典に「南京大虐殺」として記載されるようになったのが長い論争の始まりだという。
現在、「否定(まぼろし)派」「中間派」「大虐殺派」の3派に分かれるそうだが、それぞれの派閥の虐殺された人数や代表者の名前が詳細に紹介された。
「南京大虐殺」を残念ながら否定できないといった日本政府の現在の見解も紹介し、そのもととなった「村山談話」を取り上げ、歴史認識の欠如などが説明された。
こうした“捏造”を生まないためには歴史力を磨くことが大切と、高崎氏は強調した。
会の最後は、例会で何度も紹介された三島由紀夫の評論・随筆「果たし得ていない約束」取り上げ、「45年前の指摘が今も生きている」と締めくくると会場は拍手で包まれた。
次回例会は2月25日。その際には戦時記録映画「南京」も上映される。同会の活動の詳細はwww.nyrekishikenkyu.orgを参照。