モリヤマハルカさん「発音で自信をなくす日本人が減るように」
「発音が原因で自信を失ってしまう日本人を一人でも少なくしたい」―。そんな情熱を胸に、タイムズスクエア近くのオフィスでレッスンを続ける日本人がいる。「スライドメソッド」と呼ばれるオリジナルの発音矯正メソッドを作り上げ、15年以上にわたって延べ2000人以上の日本人を手助けしてきたモリヤマハルカさん＝写真＝がその人だ。
「発音が苦手なのはあなたのせいじゃない、誰でもできるようになる、と伝えたくて」と情熱を語るモリヤマさんは、自身も発音の習得に苦労した１人。
パフォーマーとしての顔も持つモリヤマさん、演劇留学で1996年渡米するも、発音で壁に当たる。苦労の最中、発音矯正のプロ「グリーン女史」との出会いにより発音矯正の奥深さに気付かされるが、習得に７年もの月日を費やすことに。
15年以上にわたり延べ２千人以上の日本人を手助け
自らが苦労し工夫してきた体験と、「グリーン女史」から指導者としての“免許皆伝”を得た後に何百もの日本人生徒に発音を教えた体験から、モリヤマさんは日本人だけが持っている口の周りの筋肉の「癖」を発見する。この３種類の筋肉に、日本人特有の「動きの癖」があり、その癖が無意識のうちに出てしまうことで、連動する筋肉までが動き、英語の正しい発音が阻害されていると気付いたのだ。筋肉を緩めることがキーになるため、その緩める動きからとって「スライド（Slide）」メソッドと名付けた。
発音は「笛」のようなもので、唇や舌や顎や、口周りにあるものを使って空間を作り出し、そこを空気が通ることによって音が出る。「難しい話ではなく、耳が良い悪いの話でもなく、講師の前でリラックスして筋肉を緩めてみることができるかどうかが、この感覚をつかめるかどうかの第一歩」と話すモリヤマさん。
安心できる雰囲気作りを大切にしつつ「最短時間でいかに無駄なく発音をきれいにするかを体系化したこのメソッドで、一人でも多くの日本人が笑顔を取り戻してくれたら」と今日もレッスンを続けている。
スライドメソッド@タイムズスクエア
【住所】484 W 43 St（bet ９th & 10th Ave）
【連絡先】info@slidemethod.com
【ウェブ】slidemethod.com
（2017年２月11日号掲載）
