女性性についてさらに掘り下げていきたい
芸術の街ニューヨークで活躍する日本人女性アーティスト、MEMIさん。グラフィックデザイナーでありながら、ファインアート作品も発表し続けている。
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女子美術大学（東京都）出身で、在学中からグラフィックデザイナーとしての仕事を請け負い、フライヤー、店頭ＰＯＰ、プロダクトデザイン制作など、幅広い領域で活躍してきた。
「私は世界で活躍したいですし、社会に貢献したいのです」と、2011年、子供のころから憧れがあったニューヨークに拠点を移した。
日本にいたころは、野心が強すぎるように見えたのか、“出る杭は打たれる”という場面に何度も遭遇した。そして、ニューヨークへ移り住む決心をする。しかし、それは同時に日本で積み上げてきたキャリアがゼロになるのでは、との不安にもつながった。だが渡米後、この不安＝「サバイバル感」が制作の良い刺激になり、「結局、ニューヨークを離れられなくなってしまいました。今はこの街が大好きです」と当時の気持ちが、制作意欲を一層かき立てたと振り返る。
MEMIさんの作品には、女性の体がたびたび登場する。女性という存在について考え始めたのは大学在学中。女子大で多くの女性と出会い、女性として生きることや、女性の体に強い興味が生まれた。
先日ブルックリンで行われた展示会で発表した木材を使用した作品の一部
「社会的に活躍している女性は、男性に負けないよう同等に働こうとされる方が多いようですが、本来、女性ならではの良さがあり、異なる働き方や活躍の仕方があるはずだと、ずっと思っていました」
性的な側面にフォーカスが当たりがちな女性性についても、「男性も女性も、性別に翻弄されることがある一方で、それぞれの特徴や役割が生かされきれていないと思います。（作品制作において）女性性についてさらに掘り下げていきたい」と話す。
現在はポップな作品が多いが、今後は“より重く深いテーマ”を扱った作品にも取り組んでいきたいと意欲を見せる。
【MEMIさん公式ウェブ】www.memiartbook.strikingly.com/
【問い合わせ／Ｅメール】memi1129@me.com
（「WEEKLY Biz」（ニューヨーク）2015年１月24日号掲載）
