NYで高い志とおおらかな人間性育む
美しい自然の中にあるキャンパスが印象的な「慶應義塾ニューヨーク学院(高等部)」。同校は1990年に日本国外にある唯一の慶應義塾大学の一貫教育校として、ニューヨーク州パーチェスに設立された。文部科学省により指定された在外教育施設であり、ニューヨーク州に認可された米国の高等学校(第9学年~第12学年)として同州私立学校連盟(NYSAIS)にも加盟している。同校の特色について、河野文彦学院長にお話を伺った。
「自由な校風の中で高い志とおおらかな人間性を育むことを理想としています。そのため受験に縛られない本来の『学び』に集中できるのです」と学院長は話す。
生徒は世界約30カ国から
在学する生徒たちは世界約30カ国の学校から同校へと入学している。日本から留学している生徒、米国で生まれ育った生徒、他国の現地校・日本人学校出身の生徒など、さまざまなバックグラウンドを持つ。
世界各国から集まった生徒たちが、広大な土地での寮生活を中心とした生活を通じ、お互いの多様性と文化を受け入れ、吸収し、柔軟で創造性豊かな思考と、自らの考えを日本語・英語の両方で表現できる力を身に付けていく。
国際感覚と「独立自尊」を生かすプログラム
卒業後は、原則として学院長の推薦により、慶應義塾大学の各学部のいずれかに進学することができる。
慶應義塾大学は平成26(2014)年度に文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択され、世界で活躍する人材を輩出する教育機関として、ますます注目を集めている。
また、260校を超える大学・高等教育機関との協定を締結し、慶應義塾大学と海外の協定校の両方で学び、修了時に両方の大学から学位が取得できる「ダブルディグリー・プログラム」にも力を入れており、ニューヨーク学院(高等部)で身に付けた国際感覚と「独立自尊」の精神を生かすチャンスが広がっている。
本来の「学び」に集中
日本語力・英語力などの基礎力重視
「受験のためのテクニックや対策ではなく、入学してから始まる本来の学びを重視しています」と学院長。「学び」を深めるために必須である日本語力・英語力などの基礎力を重視しており、米国の日本人学校・現地校からの入学者の大半が英検2級以上を取得している。「一面的な評価をもとにした一度の入試で人生が決まってしまう仕組みでなく、実力を発揮して入学できるような仕組みを」との考えから、入学試験はAO入試と一般入試を設け、年に3回実施。過去の傾向についても、同校ウェブサイトに掲載された過去の入試問題から知ることができる。
今年創立25周年
駐在期間が終了し、保護者が帰国しなければいけない場合でも、寮やカフェテリアなど安全で充実した設備が生徒たちの生活を支える。校内の施設・設備は事前に申し込みをすれば見学可能で、来年4月2日のオープンハウスではさらに、模擬授業や生徒によるパフォーマンスなども見ることができる予定だ。同校は今年創立25周年を迎え、記念事業として英語のカリキュラム強化、全館Wi―Fi完備、ステューデント・センター(仮称)の建設などさらに発展していく予定。世界で活躍する人材をこれからも輩出し続けていくことだろう。
◎情報
慶應義塾ニューヨーク学院(高等部)Keio Academy of New York
【住所】3 College Rd, Purchase, NY 10577
【電話】914-694-4825
(2015年11月7日号掲載)