JWB、新JAAホールで初イベント、大盛況で幕

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「疑問視される日本の#MeTooその後─ジェンダー問題の現状は?」

新しくなったJAAホールで行われたイベントは満席となった=3月17日(撮影:吉田)

新しくなったJAAホールで行われたイベントは満席となった=3月17日(撮影:吉田)

ニューヨーク日系人会ビジネスウーマンの会(JWB)は17日、「疑問視される日本の#MeTooその後─ジェンダー問題の現状は?」と題して、講演会をニューヨーク日系人会(JAA)ホールで行った。JWBとしては、3年ぶりのインパーソンでの開催。

JAAホールは昨年8月に水浸しになったが、5階に移動し、今年2月に再オープンした。今回のイベントは新しくなったホールでJWBとしては初めて行われた。
石田圭子JWB会長、佐藤貢司JAA会長がそれぞれ、3年ぶりのインパーソンでの開催に喜びとお礼を述べたあと、イベントは始まった。

講演する伊藤和子弁護士(左)とモデレーターを務めた津山恵子さん。要点や数々の写真などがスクリーンに映し出された=同

講演する伊藤和子弁護士(左)とモデレーターを務めた津山恵子さん。要点や数々の写真などがスクリーンに映し出された=同

講演者として、日本から弁護士の伊藤和子さんを招き、日本の#MeTooの動きや問題点が語られた。ジャーナリストの津山恵子さんがモデレーターを務めた。
伊藤弁護士はジャーナリストの伊藤詩織さんや、インターネット交流サイト(SNS)で中傷された後に亡くなったプロレスラー木村花さんの裁判などに関わっている。
これまでにJWBが何度か招き、講演している伊藤弁護士は3年ぶりのニューヨーク訪問。当地でもこれまでの熱気が戻ってきたと感じ、うれしく思っていると開口一番に語った。
まず、2017年の#MeToo運動に関わった伊藤弁護士は伊藤詩織さんの訴訟活動について取り上げ、詩織さんの問い掛けたものが、日本のメディアの女性がこうした問題を書くという変化の引き金になったと語った。しかし、まだまだ、被害者へのバッシングは続き、“まだまだ道半ば”という。

性被害・性暴力の実証には「抗拒不能」という非常に厳格な立証問題があり、19年3月には4件の無罪判決があった。これに抗議する「フラワーデモ」が毎月11日に行われるようになったと紹介された。これは日本では珍しいもので、ささやかだが諦めないという意志を表したものだという。
今月14日、性犯罪の成立要件を明確化する刑法改正案などを閣議決定されたが、このポイントについても触れられた。不十分な点があるが、国際水準の「NO means NO.(イヤはイヤ)」に近いものがあるという。
性的同意については幼少期からの教育が必要で、英警察が公開した「紅茶理論」が紹介された後、これから訴えていくという。
AV出演強要問題も法律面で大きな変化があり、これも17年の#MeToo運動が日本での大きな成果と語った。それでもまだまだ、改善されていない日本の根本には「カジュアルに女性差別がある」と、何度も強調した。

森元首相らの問題発言を取り上げ、その原因をマーケティングが差別的で、リスペクトすべき対象を見下しているからだと断じた。根本的な問題にメスが入っていないため悪循環が続いていると伊藤弁護士。炎上広告だけが悪いのではなく、これらに批判の声を上げる女性らにバッシングが起こっており、「かわいい女性からのアップデートできない男性の問題」とした。声を上げたことで法律が変わり、戦いが新しい局面を迎えたという。

最後に国連の優先テーマである、メディアやテクノロジーがミソジニー(女性嫌悪)や家父長制を助長している問題を取り上げ、全世界に深刻な問題をもたらしていると語り、熱い議論が展開されていることを紹介。「世界中で同じ問題に悩み、新しい連帯も立ち上がっていることに励まされた。これからも頑張っていきたい」と締めくくると、満席となった会場から大きな拍手が沸き起こった。

あいさつをする石田圭子JWB会長=同

あいさつをする石田圭子JWB会長=同

あいさつをする佐藤貢司JAA会長=同

あいさつをする佐藤貢司JAA会長=同

新しくなったJAAホールでJWBは3年ぶりのインパーソンでの開催。受付の様子

新しくなったJAAホールでJWBは3年ぶりのインパーソンでイベントを開催。受付の様子=同

(2023年3月25日号掲載)

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