ジャパン・ソサエティーの芸術監督・塩谷陽子氏がベッシ―賞を受賞!

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全米最大の日米交流団体として活動、活躍するジャパン・ソサエティー(JS)の芸術監督・塩谷陽子氏が1月6日、ニューヨーク・ダンス&パフォーマンス賞(通称:ベッシ―賞)より傑出したキュレーターに贈られる2019年「Bessies Presenter Award for Outstanding Curating」を受賞した。

昨年のBessie Presenter Award受賞者で1999年から2018年までBAM(Brooklyn Academy of Music)のエグゼクティブ・プロデューサーを務めていたJoseph V. Melillo氏(右端)から受賞の盾を送られる塩谷陽子氏(その隣)(© Japan Society(NY))

昨年のBessie Presenter Award受賞者で1999年から2018年までBAM(Brooklyn Academy of Music)のエグゼクティブ・プロデューサーを務めていたJoseph V. Melillo氏(右端)から受賞の盾を送られる塩谷陽子氏(その隣)© Japan Society(NY)

ベッシー賞代表のルーシー・セクストン氏は、「塩谷陽子氏はその鋭利な鑑識を以て文化の違いを横断する重要な舞台芸術を紹介し、ニューヨークのダンス界にすばらしい貢献をしています」と選考理由を述べた。
今回、塩谷氏に授与された「Bessies Presenter Award for Outstanding Curating」は、2017年から始まったカテゴリーで、ニューヨーク市において観客やアーティスト並びに舞台芸術界に対して多大な影響を与えたプログラムを構成し続けているキュレーターやプレゼンターに贈られる賞。

今回の受賞を受け、塩谷氏は、「ここニューヨーク市には数多くのプレゼンターや優秀なキュレーターが活躍していることを思うと、受賞の嬉しさは格別です。一方、私の仕事が舞台芸術の世界の都ニューヨークで評価されたということは、とりもなおさず、日本の舞台芸術作品の層の厚さ・質の高さ、その創造の豊かさを示すことでありましょう。」と喜びのコメントを発表した。

【ベッシ―賞について】
ベッシー賞(正式名称「New York Dance and Performance Award」)は、振付家やダンサーをはじめ作曲家やデザイナーなど、ダンスおよび先駆的な舞台芸術において秀でた作品づくりに貢献したニューヨーク市のアーティストに贈られる賞。1983年、当時ダウンタウンの実験的舞台制作の牽引役となっていたダンス専門劇場Dance Theater Workshopによって設立。モダン・ダンス教師として尊敬されたベッシー・ショーンバーグにちなんで名づけられた。審査は、毎年ニューヨーク舞台芸術界の専門家からなるグループによって行われ、ニュヨーク・タイムズ紙は「ベッシー賞は舞台芸術界のアーティストにとって極めて重要な賞」と評している。初期の受賞者には、いまや世界的に有名なビル・T・ジョーンズ(1986年受賞)、アンヌ・テレサ・デ・キースマイケル(1987)、ロバート・ウィルソソン(1987)、ウィリアム・フォーサイス (1988)などがいる他、日本人ではエイコ&コマ、中馬芳子、勅使河原三郎、山崎広太、折原美樹などが受賞している。

JS芸術監督・塩谷陽子© Japan Society(NY)

JS芸術監督・塩谷陽子© Japan Society(NY)

【プロフィル】
塩谷陽子(Yoko Shioya)
1960年東京生まれ。東京芸術大学音楽学部楽理科卒。1988年の渡米を機に朝日新聞をはじめ多くの活字メディアに芸術文化の定期コラムや舞台芸術批評の執筆を開始。2003年よりジャパン・ソサエティー(JS)の舞台公演部部長、2006年より舞台芸術部門と映画部門を統括する芸術監督に就任。以来、日本の舞台芸術の公演をJS内劇場で主催する他、北米ツアーのプロデュース、非日本人アーティストへの新作委嘱、現代戯曲の英語リーディング・シリーズなど新規事業を立ち上げる。トヨタ・コレオグラフィー・アワード、ロックフェラー財団MAP助成、ニューヨーク・ベッシー賞、ローレックスMentor & Protégé Arts、ハーブ・アルパート芸術賞など、舞台芸術に関する様々な表彰や助成プログラムの審査員等を歴任。著書に『ニューヨーク:芸術家と共存する街』(1998/丸善ライブラリー)、共著に『なぜ、企業はメセナをするのか』(2000/メセナ協議会)など。

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JSについて:
JSは、1907年(明治40年)にニューヨークに設立された米国の民間非営利団体です。全米最大の日米交流団体として、両国間の相互理解と友好関係を促進するため、多岐に渡る活動を1世紀以上にわたって続けています。その活動範囲は、政治・経済、芸術・文化、日本語教育など幅広い分野にまたがる各種事業や人物交流などを通じて、グローバルな視点から日本理解を促すと同時に、日米関係を深く考察する機会を提供しています。今日、JSは日米の個人・法人会員をはじめ、政財界のリーダー、アーティスト、教育関係者、学生など様々な参加者を対象に年間約200件のプログラムを提供しています。

(2019年1月12日号掲載)

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