オレンジカウンティ倫理法人会・専任幹事・古谷敦子さん
〈インタビュー〉
「オレンジカウンティ倫理法人会」は、日本で6万7000社が加盟する経営者団体・倫理法人会の米国初の支部である「南カリフォルニア倫理法人会」に続き2017年に設立した。会の実務中心者として活動を支える専任幹事の役を担う古谷敦子さんは、地域コミュニティーの場を提供する「オレンジアイランド・カルチャーサロン」のオーナーでもある。その古谷さんにお話を伺った。
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カルチャーサロンで人の輪をつなげ
古谷さんの渡米は28年前。夫の大学院留学がきっかけだった。もともとフィットネスインストラクターだった古谷さんは、ロサンゼルスでもスタジオを借りてエクササイズを教え始める。そのうちに「皆が集まる場所があれば」と思い、10年前に総合カルチャーサロンを開設。最初は5人の講師を見つけてクラスを始め、そこから「教えたい」という人が集まるようになり、現在の規模へと発展したという。「私自身がそうだったように、駐在などで異国に住む人が独りぼっちにならないよう、友達や情報、何かのきっかけとなるものを提供したいのです」と古谷さんは話す。今では多くの人が集まる憩いの場となり、人の輪をつなげている。日本から駐在する予定の人にも、既にその存在は知られているという。
入会後、家族にも変化
古谷さんが倫理を知るきっかけとなったのは、倫理が会合の場所として同サロンを使用したことだった。最初は活動趣旨や内容も曖昧だったものの、良いことをやっていることだけは分かり入会した。「あらためて内容を聞くと納得します。素晴らしい話が多く、(倫理に参加することは)本当に意義があると思っています」と話す。倫理では経営者を対象として毎週、早朝7時から「モーニングセミナー」を開催している。企業トップが自らの生き方や会社のあり方を考えるために学び実践するものだ。「成功した人の話を聞くチャンスがあり、仕事にも役立っています。また、仕事上多くの人と会うため、どう人と接するかという自分自身の心構えを正すことができるのです。週1回の活動に参加することで整い、時間がたって崩れたものがまた整うということの繰り返しです」と、古谷さんは自らの心の変化を語る。
家族にも変化が現れたという。「主人は今までより一層優しくなりました」と笑顔で話す。古谷さんの夫は倫理の活動に一度も参加していないため、古谷さんが貴重な時間を費やしてまで活動することに疑問を持っていたそうだが、早朝から時には夜も、仕事に加えて倫理の活動に一生懸命取り組む古谷さんの姿を見て、応援したくなったようだ。
朝型の生活で得た知らなかった世界
どちらかというと夜型の生活を送っていた古谷さんにとって、朝早く起きることだけでもプレッシャーだったという。しかし、一度やると決めたらやり遂げる性格の古谷さん。遅刻や欠席は一度もしていない。そうして生活を変えて得たものの一つに「朝の風景」があるという。早朝に、自動車を運転する道筋で見える風景は「本当に地球はきれい」と思わせてくれるという。朝焼けの清々しい風景とともに、朝6時に多くの人が車を走らせている状況に気づき「皆も頑張っていると感じる。今まで自分が知らなかった世界を見ることができた」
皆が笑顔で元気になるサロンに
とはいえ、経営は決して楽なものではない。どう乗り越えるかの不安は常にあるという。「でもやるしかないのです。ここをもっと楽しい場所にしたい。ここへ来て皆が笑顔になり元気になって帰っていくことが目標です。それを続けていきたい」とサロンへの思いを語った。
●プロフィル●
古谷敦子(ふるや・あつこ) 体育大学短期大学卒。「東急フィットネスクラブ」でチーフインストラクター兼副支配人を担い、スポーツモデルとしても活躍。エクササイズ指導歴は25年。2011年より総合カルチャーサロンを開設。
(2018年9月22日号掲載)