ロサンゼルス倫理法人会 幹事 ウィルハイト資子さん
From California Interview(10)
在米企業の経営者・リーダー向けに、ビジネスセミナー等を開催する倫理研究所USAは現在、「カリフォルニア州倫理法人会」の下に「ロサンゼルス倫理法人会」と「オレンジカウンティ倫理法人会」がある。今回は、ロサンゼルス倫理法人会の幹事であるウィルハイト資子(よしこ)さんにお話を伺った。
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小さなきっかけが大きな決断に
資子さんはロサンゼルスで不動産エージェントとして20年以上の実績を積む。不動産業のかたわら、昨年2月までの4年間、商品の委託販売やイベントフロアの貸し出しなどを行うレンタルスペース「ハッピースクエア」も経営していた。倫理法人会には、来店した人がたまたま倫理法人会の会員で、その人に誘われて入会。最初は毎週朝7時から行われるモーニングセミナーに参加することで早起きの習慣を身につけることが入会の理由だった。だが実際にセミナー講師たちの話を聴くと、それが「学び」として大きな力になっていくのを感じたという。「同じような苦しい経験を乗り越えられていて、励まされます」と語る。そして今年4月、常に前向きな同会の仲間たちに背中を押され、新しいビジネスへの挑戦が始まった。新天地であるサンノゼでシリコンバレーの駐在員向けに、赴任して一番最初に必要となる家と車の手配を世話する会社「駐在サポートLLC」を設立したのだ。
悩み抜いた末決め手となった言葉
これまで、世間の常識に捉われず自分で決断し人生のステップを進めてきた資子さんだが、新会社の設立には大いに迷ったという。このまま不動産業のベテランとして安定の道を行くこともできる一方で、起業すればリスクはつきもの。すでに人生の後半と感じている今のタイミングで、失敗することをとても恐れていた。最終的に決断の決め手となったのは、同会の教えの基礎となる『万人幸福の栞』にある言葉と、飯田隆・倫理研究所USAプレジデントの一言が背中を押したという。
「決心の強いか弱いかによって、仕事の成否がきまるが、決心ということは、今までなかった事を、こうしようと信念を定めることである」「憂えるのは疑うからである」「憂えるから失敗する」「人生は信によって成る」。(出典:『万人幸福の栞』第十五条 信成万事「信ずれば成り、憂えれば崩れる」から)
この言葉で、「将来を疑わず、人を信じ、信念をかためよう」と決心することができた。「(倫理法人会に)入って良かったと改めて感じています」と資子さんは語る。そして今後も、AI(人工知能)をはじめとした激しい変革の時代における「学び」の重要性を訴える。「新しい技術を有効に生かすためには、ルール作りと、その根底となる考え方を明確にすることが必要です。そういう意味でも、倫理の活動はこれからもっと必要になってくると思います」と話してくれた。
●プロフィル●
ウィルハイト・よしこ
サウスベイ在住のローカルリアルターとして20年、サウスベイで住居やオフィス、店舗などを探す人々に安心で快適な生活を送ってもらうことを目的に、最良物件探しをサポートする。四年制大学在学中に結婚、出産、育児。ここからマルチタスク人生がスタート。大学卒業後、2年間のロサンゼルス駐在を終え、東京で航空会社国際線予約に勤務。国連広報センターを経て、国連開発計画東京事務所に勤務、計10年在籍。単独カナダ留学し、5年間心理学を勉強する。2001年、LAに戻り、離婚と再婚を機に米国税理士とカリフォルニア州不動産ライセンスを取得。現在はサウスベイを中心とした不動産エージェントとして活動中。ボランティア団体日系アクティブライフクラブの会員としても精力的に社会貢献に務めている。
(2023年7月8日号掲載)