動きながら行うダイナミック・ストレッチ

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ストレッチで身体を楽に(3)

〈コラム〉瓜阪美穂「理学療法士が教えます」 身体が痛い本当の理由 【第10回】

 

000606-0005-001038-copy前回(11月19日号掲載)のコラムでは運動後のクールダウンに適した静的ストレッチ〈スタティック・ストレッチ〉について詳しくお話しました。今回は、筋肉を動かしたままで進めていく動的ストレッチ〈ダイナミック・ストレッチ〉をご紹介しましょう。

動的ストレッチは筋肉の動きを止めずに行います。例えば、前ももの場合、ランジの体操をしながら後ろの足の前ももの筋肉を伸ばしています。ポイントは筋肉に力が入り意識的に動くことです。それによって身体がコントロールすることを覚え、柔軟性が増します。このランジの様に「筋トレ」と呼ばれているものの中には、実は動的ストレッチに分類される動きが多くあります。小さな動きから始め、それを繰り返しながら、動きを大きくしていくと安全なストレッチになります。

動的ストレッチでは静的ストレッチの様に筋繊維を伸ばして剥がしているだけでなく、筋肉へ繋がる神経や、周囲の筋肉も一緒に使うので、身体が徐々にまとめ上げられる特徴があります。対象とする筋肉とコアとの距離や関係性なども考えて内容を組み立てることで、より効果的なストレッチができます。
固くなっていた筋肉が目覚めて身体の働きが良くなるので、動的ストレッチはウォーミングアップのために使うことをお勧めします。

筋肉を伸ばすことで、可動範囲を大きくするストレッチ。目的に合うものを選び、自分の身体を楽にしてあげたいですね。

(次回1月第3週号掲載)

瓜阪美穂〈筆者プロフィル〉
瓜阪美穂(うりさか みほ)  理学療法博士、整形臨床スペシャリスト。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校を卒業後、南カリフォルニア大学理学療法博士課程を修了。ブロードウェイミュージカルのダンサーの理学療法士としても活躍中。米国の理学療法により、自身の身体に興味をもち、正しい動作を生活に取り入れることを目的に治療や指導を行っている。
【ウェブ】https://omptny.com/ja/

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