コーリン・ジャパニーズトレーディング代表取締役社長NPO法人 GOHAN Society会長 川野作織(7)

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思考のリハーサル
そのとおりにやれば大丈夫

ふと思いついたアイデアを考えて、考えて、考え抜いていくことを、私は「思考のリハーサル」と呼んでいます。それを繰り返していると、そのうちまるで「本番」が来たように感じる瞬間が来ます。まだ実現していないのに、まるで実現後のようなすっきりした納得感があり、「それが実現している様子」の映像や図がはっきりと鮮明に見えるようになるのです。

30代くらいの時にそういう感覚がはじめてやって来て「ああこれだな、考え続けるっていうのは、リハーサルなのだな」と分かりました。まだ行動していないのに、実際に行動する折には、もう迷いがありません。頭の中で何度もリハーサルを繰り返して、慣れているし見ているので、怖さもなく、そのとおりにやれば大丈夫。私は30代でとても苦労したので、その頃は悩んで、悩んで、徹底的に考え抜いていました。この訓練が良かったのですね、どんなときでも、思考のリハーサルをすれば、失敗が少なくなると知りました。失敗やネガティブ要素も先に考えて計算してあるので、致命的なミスにはならないのです。失敗を想定していないと、頭が真っ白になって何も考えられなくなります。パニックしないためも、思考のリハーサルは役立ちます。

ゴールが見えるけれども、現実の自分とゴールの間にクリアになっていないもの(まだはっきり見えないもの)があるときは、映像が見えるレベルまでまでひとつひとつ障害物について考え抜くのがおすすめです。どんな障害があるのかな? 障害は人なのか資金なのか、両方なのか、それとも自分の時間が足りなくて間に合わないのか? いつ頃になれば障害がクリアできるかな。3年後かな? 5年後かな? まだ漠然としているアイデアは時々余裕があるときに「お楽しみ」として引っ張り出して考えるようにしています。次にやりたいことが残っているのは楽しいものです。

(続く)

kawano

かわの・さおり 1982年に和包丁や食器などのキッチンウエアを取り扱う光琳を設立。2006年米国レストラン関連業界に貢献することを目的に五絆(ゴハン)財団を設立。07年3月国連でNation To Nation NetworkのLeadership Awardを受賞。米国に住む日本人を代表する事業家として活躍の場を広げている。

(2017年10月7日号掲載)

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