ハーレムのGET ON UP !

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トミー富田「ハーレム浅草下町考」Vol.39

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ハーレムの中心地にはとびきり大きな宣伝広告が掲げられている

皆さんはジェームス・ブラウン(JB)物語・映画「GET ON UP」をもう観ただろうか。
極貧の少年時代から、デビュー、全盛期、家庭内暴力、逮捕、そして2006年、クリスマス当日の死に至るまでを若手俳優チャドウィック・ボーズマンが、ダンス&ヒット曲と共に見事に熱演している。JBの大親友としても有名な黒人活動家アル・シャープトンをも「本人もあの世で楽しんでいるだろう」と言わしめた、なかなかいい映画だ。
8月の封切りに先駆けアポロシアターで行われたプレミア試写会でハーレム125丁目に敷き詰められた赤絨毯には、今回プロデューサ陣に名を連ねるローリング・ストーンズのミック・ジャガーや、JBの妻役を演じる人気R&Bシンガーのジル・スコットの姿もあった。ハーレム中がGET ON UPの宣伝ポスターだらけだ。まだ観ていないという方には、ハーレムの中心地にあるマジック・ジョンソン・シアター(2309 Frederick Douglass Blvd.)をお勧めする。

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マジック・ジョンソン・シアター内にはマジック・ジョンソンの大きな絵

 備え付けの音響装置にプラスし、観客の大きな笑い声や歌声が映画を盛り上げる、そう、感情表現豊かなハーレム人はまるで家庭で観ているかのように映画と対話するのだ。ほかの映画館ではたいてい一日に4~6回の上映スケジュールだが、ここハーレムでは1日に8回も上映されている。この映画館が2000年に出来た頃から、近年のハーレム再開発は本格的に始まった。元NBA人気選手だったマジック・ジョンソンは、このような映画館などのコンプレックスを、全米、特に黒人が多く住む町に6カ所作り、街の活性化と地元住民の雇用拡大を狙った。現在残っているのはこのハーレムUSAのみ、今やハーレムのシンボルのひとつである。(次回は10月第2週号掲載)

〈筆者プロフィル〉トミー富田(トミーとみた) 東京浅草生まれ。ニューヨーク・ハーレム在住23年の音楽プロデューサー。1994年にアジア人初の「Dr. マーティン・ルーサー・キングJr. アワード」を受賞。ハーレム商工会議所会員。アポロ劇場ボードメンバー。20年以上続けている大人気の「トミー富田のハーレムツアー」は、日本からのファン、リピーターが多いことでも有名。■トミー富田のハーレムツアー 電話:646・410・0786 ウェブ:tommytomita.com

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