集夢計画82「スーパーヒーロー十二支集結」

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アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第87回

十二支のカレンダーを作り、チャリティー販売の予定。売り上げは全てウクライナ支援に使います

十二支のカレンダーを作り、チャリティー販売の予定。売り上げは全てウクライナ支援に使います

11月も半ばを過ぎ、この1年を思うと、マスクをつけながらも普通に生活できるありがたい年でした。4月のアート・エキスポ・ニューヨーク2022では、「ゴールデンエイジ」の作品群を展示。久しぶりの大会場でのイベントに多くの人が足を運んでくれました。悲しいのは、2月に始まったロシアとウクライナの戦争。誰もが憂い、世界中が負の影響を受けています。私も何かと考え、ウクライナのアーティストを支援する活動「平和計画、人道芸術」をエキスポ期間中に始動。ウクライナ人アーティストをニューヨークに呼び、1日も早い戦争終結と平和をアートを通して世界に発信する企画を立て、多くの人の手を借りながら進行中。そして、今年の締めとして、数年かけて手掛けた「メトロカードの十二支」を一堂に発表します。

最初の1体は2017年のコラムで紹介したプードル犬のホープで、野球のボールを集めて作った「希望のツリー」のイメージキャラクターでした。ホープの制作中、「“アジアの古文化の十二支”と“現代文明の製品メトロカード”を合体させたら面白いのでは」とひらめいたのがきっかけで制作を開始。12体となると大量のカードが必要なため、図書館や学校など、ホープを連れてニューヨークのあちこちを回り、カードの寄付を募りました。今春までに3万枚が集まり完成も間近。

驚いたのは、「23年にMTAカード撤廃」の発表でした。「史無前例(前例がない)、後無来者(後に続く者がない)」、この作品は記念になるかもしれません。協力してくれた多くの人たちの心と、物を大切に使おうという気持ちが込められた十二支、桜を基調とした絵画25点を12月13日~22日、フラッシングのタウンホールで披露します。皆さん、ぜひ鑑賞にいらしてください。夢の実現と幸運を来年につなげられますように。

(次回は2023年1月21日号掲載)

林世宝

〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック

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