瞑想で姿勢が変わる

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猫背のお話(2)
瓜阪美穂「理学療法士が教えます」身体が痛い本当の理由【第35回】

前回に引き続き、今回は心の悩みやストレスが猫背の原因となる場合のお話をします。これには「迷走神経」という神経が関わっています。

この迷走神経は、脳最下部の延髄(耳の後ろのあたり)から出て、肺や心臓、おなかや腸など全臓器につながっている神経で、副交感神経の一つです。神経は普通A地点からB地点まで、と通っている範囲がはっきりしているものなのですが、この迷走神経だけは、体中のあちらこちらを巡っているので「迷走」と呼ばれます。

落ち込んだ時はがっくりと肩が落ちますよね。精神的な状態が体に現れることは、誰もが経験したことがあると思います。不安になったりやストレスがかかると腹痛になったり、おなかを下したりするのも、この迷走神経と関係があります。

神経は紐(ひも)状になっていて体中を走っています。そして紐状の神経の周りには、これまでに何度も登場した「筋膜」という組織があります。耳の後ろの辺りから内蔵にまでつながっているこの迷走神経とそれを包む筋膜は、悩み事などストレスがかかると影響を受けて硬くなり縮んでしまいます。

迷走神経は体のさまざまな場所に関わっているので、神経が硬まるとその箇所が収縮してTシャツが下に引っ張っられているかのように肩や首が釣られて姿勢にも変化が出てきます。

猫背がこのような原因で起きている場合は、精神的なストレスを軽くすることが一番です。気が晴れるようなことをしたり、瞑想(めいそう)をするなどして、自律神経へ新たに良い刺激を与えることで、猫背が変わることが期待できます。逆の効果もあり、姿勢改善の一環で迷走神経の筋膜を治療して働きを良くする事で、鬱(うつ)などが治っていった、という事例があるのです。人間の体というのは興味深いものですね!

(次回は11月第3週号掲載)

瓜阪美穂〈筆者プロフィル〉
瓜阪美穂(うりさか みほ)  理学療法博士、整形臨床スペシャリスト。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校を卒業後、南カリフォルニア大学理学療法博士課程を修了。ブロードウェイミュージカルのダンサーの理学療法士としても活躍中。米国の理学療法により、自身の身体に興味をもち、正しい動作を生活に取り入れることを目的に治療や指導を行っている。
★身体に関する皆様からの質問も受け付けています。
【ウェブ】https://omptny.com/ja/

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