〈インタビュー〉メモリースピーチコンテスト プランナー、中村道代さんに聞く

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自分に起きたことを社会に発信できれば日本はもっと良くなっていくのでは

来月8日 NYで追悼式典

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「メモリースピーチコンテスト」について語る中村道代さん

東日本大震災から来月11日で丸4年。震災を風化させないためにさまざまな取り組みが行われる中、特定非営利活動法人ジェン(東京都新宿区、事務局長:木山啓子)では2014年、スピーチ大会を企画・実施した(協賛:ジャパン・ソサエティー)。この全国大会で銀賞に選ばれた高橋匡美さんは3月8日にニューヨークで実施される「第4回TOGETHER FOR 3.11 追悼式典」にゲスト・スピーカーとして招かれる。その高橋さん来米のきっかけとなった同スピーチ大会「メモリースピーチコンテスト」について、プランナーの中村道代さんにお話を伺った。
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メモリースピーチコンテストは2014年11月、岩手・宮城・福島の三県で開催、各会場10人のスピーカーが登壇し自らの震災体験を共有した。出場スピーカーの年齢は幅広く16歳から79歳まで。「震災に関わった全ての方を対象に」募集したため、被災経験を持つ方からNPO団体で活動する方まで、さまざまな観点からの震災体験が話された。会場投票で「最も心に残った、いま伝えたいスピーチ」に選ばれた各開催地の代表3人が、同年12月の全国大会(東京)に出場し、金・銀・銅の賞を受賞した。

0221-21men-P1040782(昨年のコンテストの模様)

昨年のメモリースピーチコンテストの模様

金賞の琴田巴菜さんは福島県いわき市の農業高校3年生。風評被害に負けず、なしジャムを商品開発した前向きな取り組みと祖母に元気を取り戻してほしかったという活動動機が会場の共感を集めた。ニューヨークでスピーチを行うことが決まった高橋匡美さんは塩釜市の主婦。両親を震災で失った実体験から紡ぎだされる一言一言の重みを会場が受け取め、銀賞に選出された。銅賞の柴田滋紀さんは「被災地の子供をアートで明るく育てていく」活動をNPO法人にじいろクレヨンを通じて実施している。3人のスピーチは動画投稿サイト「ユーチューブ」で今でも見ることができる。(下記参照)
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大会を主催したジェン(www.jen-npo.org)は自然災害や紛争で被災した人々の支援を行うNPO団体。紛争は、人々の心から忘れられてしまうことによって繰り返されることがあります。それと同じように、東日本大震災の記憶が風化してしまうことによって、同じような被害が起きてしまう可能性がある。「それを防ぎたいという思いがありました。自分に起きたことを市民が胸を張って社会に発信できるようになることで、日本はもっと良くなっていくのではと思っています」

【開催日】3月8日(日)(※同日から夏時間が始まるので注意)
【時間】開場:午後4時、追悼式典:午後4時45分~6時、閉場:午後7時
【会場】First Church of Christ, Scientis【住所】10 West 68th St, at Central Park West
【最寄りの地下鉄】1番線 66 St駅、B/C線 72 St駅 下車
【参加費】無料(任意寄付)
※収益の100%が在ニューヨーク日本国総領事館「Japan Earthquake Relief Fund」、ジャパン・ソサエティーなどを通して東日本大震災の支援へ送られる。

 

■メモリースピーチコンテストウェブサイト

日本語サイト www.jen-npo.org/memory/
英語サイト www.jen-npo.org/memory/en.html
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2015年2月21日号掲載)

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