倫理を通じ、米国から見た日本の素晴らしさを伝えたい

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カリフォルニア州倫理法人会幹事長 本庄修さん

From California Interview(2)

 

本庄修さん

2018年11月に設立された「カリフォルニア州倫理法人会」は、「南カリフォルニア倫理法人会」から改名した「ロサンゼルス倫理法人会」と「オレンジカウンティ倫理法人会」という二つの会を統括する。今回は、カリフォルニア州倫理法人会・幹事長に就任した本庄修さんにお話を伺った。

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今年で在米40年になるという本庄さん。生活スタイルや言葉遣いはすっかり米国的になったとはいえ「気持ちは常に日本人です」と話す。本庄さんは、東京の宮内庁御用達のフラワーショップ「青山花茂」で修業した後1979年に渡米。ロサンゼルス・ハリウッドの有名店で経験を積み、フラワーデザイナーとして米国で数々の賞を受賞する。渡米して6年で独立し、「Floral Decor by Osamu」を経営する。現在は日本を含め世界各国でデザイン技術を教える活動も行っている。

子供たちとともに環境問題に立ち向かう

華々しくデザイナーとして活躍する一方で、環境運動実践の会「EMAC」の実行委員長としての顔も持つ。EMACでは環境アドバイザーを講師に招いたセミナーを実施したり、ゴミ処理場・水処理場の見学を行うなど環境問題を学ぶ機会を設けている。また、海岸清掃「ビーチクリーン」や海外ボランティアへの参加、子供たちとともに木を大切にする心を養う林間学校など、多数の企画を行っている。倫理研究所では「地球倫理の推進」を提唱しており、中国・内蒙古自治区の沙漠に植樹を行い、森を創成している。本庄さんはこれに倣い「アメリカでも何か」と、できることから始めたという。「こういう活動は、未来を背負う子供たちと一緒にやらなければ、長く続かない。子供たちを巻き込んで一つの運動にしていけたら」と語る。

社会貢献をしたいとの思いで法人会に入会

倫理法人会には、カリフォルニア州倫理法人会設立前の8月に入会した。忙しかった仕事が一段落し「社会貢献をしたい」と思っていたころ、倫理法人会と出合ったという。長く日本を離れているからこそ、日本への思いは強く、自国の素晴らしさが日本にいる人々に見えていないことに歯がゆさを感じることもあるという。「倫理を通じ、アメリカから見た日本の素晴らしさを伝えることで、皆の自信や誇りにつなげられれば」と本庄さんは話す。「もちろんそれ以前に、倫理を学ぶことで自分自身が成長し、本来あるべき姿に変わっています」と言う本庄さんにとって、倫理は自己の成長と社会貢献を果たすための大切な場所となっているようだ。

国立セコイア公園の近く、カリフォルニアホットスプリングスで、いやしの森プロジェクトで記念植樹を行った=2018年7月22日(本庄修さん提供)

国立セコイア公園の近く、カリフォルニアホットスプリングスで、いやしの森プロジェクトで記念植樹を行った=2018年7月22日(本庄修さん提供)

●プロフィル●
ほんじょう・おさむ
フラワーデザイナー。プロダクトデザイナー。米国でBotanical Image Creation, Inc.を経営。台湾でMei-Chia Flower Design School学長を、日本でInternational Floral Academy of Tokyo主宰を務める。東京のフラワーショップで修業を積んだ後、ハリウッドの有名店であるフローラルデザインショップに勤務。米国生活が6年となった1985年に独立。米国内外の多数のコンテストで受賞。米国、カナダ、アジアの多くの都市で自身のデザイン技術を講義。新しい製法に拠るインテリアフラワー「リプロ・フレッシュ」(米国特許取得)を開発。ロサンゼルス在住。

(2019年2月9日号掲載)

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