遺伝性疾患家系、感染症、流産経験…妊婦には不安がいっぱい

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出生前診断4 ~出生前診断:誰が受けるべきか?(4)~

「米国最先端臨床現場から」海外治療コンサルティングリポート 第39回

生殖の世界で語られる女性にとっての大台は“35”(3)

前回(1月16日号掲載)は、米国では20代の妊婦を含むほとんどの妊婦が40週の妊娠期間を通して数回に亘る出生前診断スクリーニング検査を妊婦検診の一環として行っていること、そして、35歳以上の妊婦に対しては更なる詳しい検査である出生前診断を薦めていることについて述べました。

ここで精密度が高い出生前診断を行うことを考慮すべきグループについて、少し説明します。
このグループとは
・35歳以上の妊婦
・妊娠後、胎児に影響があると考えられる物質に接触した可能性がある場合
・遺伝性疾患の家系を持つ場合や家族に先天性欠損が認められる例がある場合
・妊婦自身に先天性欠損や遺伝性疾患が認められる場合
・妊娠後に、風疹やトキソプラズマ症などの先天性欠損を招く感染症に接触した可能性がある場合
・以前に流産の経験がある場合
・以前に先天性欠損を伴う赤ちゃんの出産を経験している場合
・簡易な出生前診断スクリーニング検査で陽性の反応が出ている場合

が該当します。

最近は、新しいリスクフリーに近い精密度が高い出生前診断も出てきていますが、検査結果が99%以上の精密な検査であるとしても、検査をすること自体にリスクのある出生前検査を行う事をなぜ選択するか、と言えば、それは、安心という確証を得、貴重な妊娠期間を喜ばしい時期にするためです。

次回からは出生前の検査である
・簡易な出生前診断スクリーニング検査
・更に異常について精密に正確に調べることができる出生前診断

のそれぞれの詳細について妊娠のステージに分けて説明していきます。

(さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子)

さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子【執筆者】清水直子(しみず なおこ) 学習院大学法学部卒業、コロンビア大学で数学を学び、ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネスでMBAを取得。マウントサイナイ医科大学短期医学スクール修了。メリルリンチの株式部で活躍し、2003年さくらライフセイブ・アソシエイツを設立。

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