〈コラム〉「COACH A」竹内 健 「対話で変える!」第2回

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対話の力(2)
コミュニケーションの頻度と量(時間)

こんにちは。COACH Aの竹内です。皆さんの会社や組織では、上司や同僚、部下の方々とどれくらいの時間もしくは頻度で話していますか? 今月は、コミュニケーションの頻度と量(時間)についてお話したいと思います。
「コミュニケーションの頻度と量」を考えるとき、真っ先に思い出す社長さんがいらっしゃいます。私は前職時代、公認会計士という仕事柄、クライアント企業のオフィスで仕事をする機会が多くありました。その社長さんは、我々が作業している会議室に頻繁に立ち寄られました。そして、チームメンバーに、「会計士をしていて一番面白いことは?」「将来、何か他にやりたいことは?」など、一見業務とは関係の無いようなことを問いかけ、最後には「がんばってますね」と声をかけるのです。メンバーたちは、監査する立場でありながらも、あっという間にその社長さんの人柄にひかれていったようでした。また、私自身も、お会いしてからまもなく突っ込んだ議論や相談ができる関係を築くことができました。
キャリアを伺ってみると、在米20年以上の日本人経営者で、意外にも、昔は豪腕社長として、何でも独断で物事を推し進めていたそうです。しかしある時、他の経営陣たちが次々と彼の元を去っていったことをきっかけに、自分のコミュニケーションについて考え直したとのこと。その結果でしょうか。今では日本人従業員だけでなく現地ローカル社員も「うちの社長には基本的になんでも話せる」「私のやっている仕事を理解してくれている」と話し、外部の私から見ても、会社全体に一体感を強く感じる組織になっていました。
「対話」というと、何か特別なことをやや身構えて相手と話さなければいけないと思われるかもしれませんが、内容云々よりもまずはコミュニケーションの頻度を増やすこと。そして、少しでも多く時間を取ること。この2つの要件を実践するだけで、多くのケースで組織は活性化していきます(参考:弊社発行メルマガWEEKLY GLOBAL COACH Vol.700)。
ただし、一方的に話すばかりで相手の話を聞かないのでは、負の影響さえ与えかねません。ポイントは、この社長様は、“What(何)”を聞く質問が多く、かつ相手の考えや行動を“Acknowledgement(認識)”していることです。
次回は、この“What”の質問と、“Acknowledgement”が、相手にどう機能するのかについて詳しくお話します。
(次回は2月第4週号掲載)

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〈プロフィル〉竹内 健(たけうち たけし)
エグゼクティブ・コーチ(COACH A USA 取締役 CFO)
PricewaterhouseCoopers LLPにて異例の日米5都市を異動しつつ、公認会計士として日米欧の企業や経営者へのサポートを行う中で、ソリューションの提供だけでなく対話を通じた人 への投資があってはじめてクライアントのパフォーマンスが発揮されることを痛感し、これまた異例の会計士からの転身をはかり現職
【ウェブ】www.coacha.com/usa/
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