〈コラム〉モチベーションの鮮度

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Nagano Morita a Division of Prager Metis 日下武「ビジネスのツボ」 第119回

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

2021年はあっという間に過ぎてしまったという方も多いのではないでしょうか。私にとっての2021年は、コロナの影響で在宅勤務が続き、外出もあまりできなく、自分の時間を楽しむことができなかった1年間だったという印象です。

在宅勤務が始まったころは、出勤の身支度の時間や通勤時間を節約できて、もっと自分の時間を作れると考えていたのですが、PCが自宅にあることで、就労時間が終った後も何かとメールをチェックしてしまい、結局、だらだらと仕事をしてしまったという日が多くありました。2022年は仕事とプライベートの時間のメリハリをつけて、自分の人生を充実させていこうと考えています。

日本の少子高齢化問題など将来、日本だけでビジネスをしていくことへの不安もあり、日本企業から米国進出の相談をよく受けます。日本から代表者が出張に来られ、マンハッタンでミーティングをすると「この世界の中心でビジネスを広げていく!」という勢いがある反応が多く、こちらもワクワクします。

その勢いで毎週のように連絡を取ってくる企業はかなりの確率で進出を成功させるのですが、一方で少し時間をおいてから連絡が来る企業は「タイミングを見ながら進出を検討します」と少しずつ勢いがなくなり、最終的には連絡が途絶えるということが多いです。

米国進出の案件だけではなく、新しい取り組みでも同じようなことがあります。

コロナでが業績に打撃を受けているクライアントは、どうにか経費を削減しようと模索していて、最近では経理の自動化を導入したいと依頼されることが増えてきました。まず、導入時期などを考えながら進めるのですが、すぐに導入開始ができるという企業は導入に成功することが多いのですが、社内で少し検討しますという企業は、少し時間がたってしまうと「やはり現状でも回っているので、今回は見送ります」ということがよくあります。

人間は選択肢が多かったり、考えすぎると思考が停止してしまうということをある心理学者が言っていました。このようなことから、果物やお刺身などの食べ物と同じで、モチベーションにも鮮度があるのかなと思いました。考えることも大事ですが、考えすぎると動けなくなります。鉄は熱いうちに打てとも言いますが、本当に達成したいと思ったことは、明日に延ばさずに、すぐに取り掛かることが大切かもしれません。

(次回は2月第2週号掲載)

〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) Prager Metis CPAs Boston/NJ マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を生かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーマで、幅広く顧客を持つ。

ウェブpragermetis.jp Tel:201-363-0050 E-mail:tkusaka@pragermetis.com 2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ

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