〈コラム〉「健康な歯のために」いしばし歯科 石橋香也子【第9回】

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冬にかかりやすい口腔内外の問題

冬は風邪が蔓延しやすい季節ですが、口の回りや中も荒れやすいです。今回は、冬に起こりやすい口腔内外の問題とその対処法や原因を説明していきます。

(1)口角炎
口角炎は唇の端の炎症のことを指します。真菌が皮膚を刺激してかぶれを生じるのが主因とされていて、誘因はビタミンB2とB6の欠乏やステロイド剤などの薬剤の濫用があります。口角炎ができたら、B2やB6を含む食品を積極的に摂ることや、病院や歯医者さんで処方箋の薬をもらうことで早く治すことができます。
(2)熱がさ
熱がさはウイルス感染によって起こるもので、口唇や口の周りが赤く腫れ、その上に小さな水ぶくれができます。患部には軽いかゆみやほてり、ピリピリとした痛みなどが生じます。一度感染すると体力の低下や、刺激を受けた時に再発を繰り返してしまいます。熱がさは薬局で市販薬が売っていますが、お医者さんや歯医者さんから飲み薬を処方してもらうこともできます。飲み薬はウイルスに非常に効果が高く、ピリピリと前兆を感じたときに薬を飲むと症状を抑えることができます。痛みも治まるのが早いので専門医の受診をお勧めします。
(3)寒さによる歯痛
寒さによる歯痛も起こります。知覚過敏により寒さが歯に滲みるときは、外出時に歯が冷えないようにマフラーやマスクをすることで防ぐことができます。
(4)鼻詰まりによる歯痛
副鼻腔の中を通っている神経が歯の歯髄に繋がっているので、鼻詰まりが原因でその神経を圧迫し、歯痛にも繋がることもあります。実際に歯痛で訪れた患者さんが診察やレントゲンで調べても歯に何も問題が見つからず、風邪が治ったらすっかり良くなることは頻繁にあります。

〈まとめ〉
冬になると起こりやすい以上の症状に中には、痕になるものもあります。しかし、ほとんどの症状は食事をバランス良くしっかり摂り、また医師や歯医者さんに処方された薬を服用・塗布することで痕にならず早期に治すことができます。何か症状が出たらできるだけ早く歯科医に診せてくださいね。
(次回は2月第3週号掲載)

0419ishibashi-face〈筆者プロフィル〉石橋香也子(いしばし かやこ) ニューヨーク大学歯学部卒業。ルーセラン・メディカルセンターで一般歯学の臨床研修課程修了。
〈医院情報〉【住所】200 West 57th St, Suite 704 NYC(7th AveのSouth-West角付近)
【電話】212-265-9100/212-974-0205(予約制)【営業時間】月・水:10am〜4pm / 火・木:10am~7pm / 土:10am〜4pm[隔週]【ウェブ】www.drishibashi.com

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