〈コラム〉導院整体センター、鈴木規正「心身整体道場」第36回

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重症な肩こりも整体施術で解消

慢性で重症な肩こり―。首肩の骨がズレると周辺の筋肉や靭帯が、ズレを元に戻そうとして突っ張るのです。重症な肩こりの9割は、こうした骨格のズレが原因です。また、ズキズキとする頭痛(片頭痛)は、硬直した首肩の筋肉群が、血管圧迫、頭部への酸素供給が不足したため、脳が酸素を要求する現象です。日常で山積する難問、永続する繊細な作業、切迫した締め切り、失敗は出来ない等の重責を耐え忍ぶ自分。ロックフェラーセンターの入り口に地球を肩に背負う男のブロンズ像がありますが、これを自分だとを想像すればよく分かります。苦悩する顔を見てください。体内では、骨格がズレると、周辺の筋肉や靭帯がズレを元に戻そうとして硬直します。
3回の整体施術で「痛みと根本原因」を解消した実例です。
【実例】
(A)F子さん(日本人女性、50代、主婦):夫の赴任で最近渡米、英会話学校に毎日通う。慣れない環境のせいか、最近、首肩の筋肉硬直がひどく、首を回すのも辛い症状で来院。肩内部で硬直した筋肉の束は、ゴルフボールのようになり他院でも嫌われるそうだ。何週間も痛みが治らず、病院に行ったり、鍼、指圧、薬も試した。痛みの原因は首肩の骨格の転位と周辺筋群の硬直。具体的には(1)脊椎上部の弯曲(2)前弯症(3)左右の肩甲骨の転位、肩関節のズレであった。
(B)K子さん(日本人女性、30代半ば 、大学院生):長時間机に向かう生活で片頭痛に悩まされた。さまざまな治療法を試したが、一時的によくなるだけで、またズキズキ痛みだす。以前、整体治療で治った経験があったため、来院。触診の結果、彼女は首や肩の筋肉の硬直、首の位置がズレ、側頭骨(耳の後ろ)、あご関節もズレていた。突っ張った筋肉や靭帯が、首の神経や血管を圧迫、血液循環の低下が、片頭痛を生じていた。
両者ともに、週に1回、計3回の施術を行った結果、数年来続いた痛みは完治し喜ばれた。
1回目はまず、体全体の筋肉と靭帯の「緩解指圧」をして身体の大まかなバランス調整。首や肩などに凝りがある人は、体全体の筋肉も硬直しているからだ。さらに頭痛の根本原因で、首(頸椎)、肩、側頭骨のズレを戻した時点で、片頭痛はなくなった。
2回目の来院、すでに片頭痛はなく、顔色も良くなっていた。指圧を行いながら、首・肩のズレを戻し、手で圧力を加えるなどの方法を用いて、丁寧にゆがみの矯正をした。
3回目は、身体の最終的な身体細部のバランス調整をした。特に、頚椎、側頭骨に対する整体手技法、緩解指圧法を使っての一連の施術を終了した。
【予防と管理】
整体で心身のゆがみを整えた後に、片頭痛、肩こり、腰痛等の予防には、ストレッチがお勧め。3〜5ポンド程度のダンベルを両手に持って上げ下げ、持ったままゆっくり肩を回して筋肉と靭帯を強化すると、骨もズレにくくなる。ただし、ストレッチも筋トレも、身体にゆがみがない状態で行うことが大切。骨格がズレたまま筋トレを行うと、かえって筋肉を傷め、ズレが増して逆効果です。
(次回は3月第1週号掲載)

Nori at NYGoCenter.
〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。
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