<コラム>北米伊藤園企画「なるほど相談室」第7回

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今月のテーマ「バイリンガル教育」

07-itoen-photo〈回答者〉グリニッチ国際学園・あすなろ国際学園・園長 幼児教育、児童心理学修士/全米幼年教育会会員、日本幼年教育会会員
山本 薫氏

Q:米国永住予定の子供の教育について悩んでいます。日英バイリンガルに育てたいのですが、現地のPreschool(プリスクール)やPre-K(プリキンダー)に通わせるべきでしょうか。
A:子供は0~6歳までに2言語の脳ニューロン(神経細胞)回路が形成されると言われています。米国のPreschoolやPre-Kに通う日本人の中には、英語の単語が混ざった日本語を話したり、「てにをは」がきちんと言えないお子さまが目立ちます。言葉の発達においては、バイリンガル幼稚園できちんと英語指導を受けられることが一番よいでしょう。
07-itoen-Sashie_7_gakkoまた、言語の上達は保護者と一緒に行う本読みの量に比例します。日本語でも英語でも、5歳までには自分で絵本がきちんと読めるようになれば理想的です。特に英語が読めるようになるためには、フォニックス(英語の文字と音のルールを学ぶ)教育を4~5歳で行っている幼稚園をお勧めします。
Q:両親が別の言語圏出身の場合、家庭ではどちらの言葉で話し掛けるのがいいでしょうか。
A:例えば、お父さまが米国人であれば英語で、お母さまが日本人であれば日本語で必ず話し掛けてください。たとえお子さまからお母さまに英語で話し掛けてきても、日本語で質問を言い換えてあげながら日本語でお答えください。もし家での話し言葉が英語だけであれば、バイリンガルはとても難しいでしょう。
Q:学校教育のほかに、バイリンガルに育てるためにすべきことなど教えてください。
A:日本語でも英語でも、お子さまと一緒に楽しめる本をたくさん読むことです。化学の不思議な話、自然の話など自然科学系の本もよいでしょう。実際に博物館に行ったり、家庭で実験してみたり、一緒に工作をしたりして、「なぜこうなるのかな?」と子供に興味を抱かせる話し方で一緒に考える時間を共有することが大切です。
また、日本では「子供俳句」がとても盛んです。季語を使いながら、日常の中にある言葉を「五・七・五」に並べるだけでも、言葉にはリズムがあることがわかり、日本語の美しさを学ぶこともできるでしょう。(次回は8月第4週号掲載)

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