〈コラム〉膝の痛み―膝蓋軟骨軟化症とは 特徴と原因(2) 大腿筋が弱いとなりやすい

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カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第105回

Legs of a medical skeleton 前回(7月25日号掲載)に続き、膝蓋(しつがい)軟骨軟化症の特徴と原因について紹介します。
症状の主な原因は体重による負荷や外部からの衝撃によって膝蓋骨と大腿骨がこすれ合い、その摩擦によって軟骨がすり減っていくことです。
膝蓋骨に負担をかける主な要因とは、膝の使いすぎ、外傷やスポーツ障害などです。膝の使いすぎと一言で言っても人それぞれ違うと思います。なぜかというと、個人の膝の回りの筋肉の強弱(特に大腿筋)により、使いすぎの度合いが違うからです。特に大腿筋が弱い方のほうがこの膝蓋軟骨軟化症になりやすいです。
では、膝の使いすぎについて考えてみましょう。スポーツが良いと思って、毎日もしくは週に何回か行うと、逆にそのスポーツなどで膝を酷使して痛めてしまい、症状が発生するという結果になってしまいます。ジャンプの繰り返しやランニングなどで膝蓋軟骨に大きな負荷が掛かるため、長距離ランナーやジャンプ系のスポーツ選手に多く見られます。
また、太ももの筋肉(大腿四頭筋)など、膝周辺の筋力不足や、運動前のウオームアップ不足・ストレッチ不足によっても傷みやすくなります。
さらに確実に膝を痛める要因は、膝を強打するような外傷です。事故やけがが原因で関節軟骨が傷つくケースのほか、膝蓋骨が脱臼してズレている状態も軟骨のすり減りを促進してしまいます。膝蓋骨の脱臼はスポーツや事故による衝撃で起こるほか、骨や関節の形が悪いことでも起こりやすくなります。これは別の病名で「膝蓋大腿関節不適症候群」として知られています。
(次回=8月22日号掲載=に続く)
MikaIshitani〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞

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