〈コラム〉ケン青木の新・男は外見 第91回

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私見“クールビズ”(5)

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日本の男性諸氏も、少しずつですが、ご自身の装いについてより深く考える方が増えてきたようです。とても良いことだと思います。こちらで暮らしておりますと、日本にいる時以上に服装を見られていると感じることがおありではないでしょうか。事実その通りで、レストランやちょっとしたパーティーなど、パブリックな場所では私たちが思っている以上に見られているのですね。大人の男性の装いについては、女性ほど流行に対しての対応や理解など必要ではありませんが、代わりに装い全体を通して一大人の男性として、品性や教養などトータルな人間性を値踏みされるのです。ですから、決して甘く見ないのが良いのです。日本のオッサンの常識が通用しない世界があるのです。村社会の日本ではこのようなことはほとんどあり得ず、大人の男性同士、服装が話題となることもほとんどなく、結果、日本人男性の多くが苦手としている素養となってしまったのではないでしょうか…。雑誌の情報を鵜呑(うの)みにするのがせいぜいといったところでしょう。

で、この秋はビジネススキルを勉強するつもりで、服について勉強し、洋服に対する考え方をゼロから改めてみる機会とされてみるというのはいかがでしょうか。
女性受けする装いと男性受けする装いとでは確かに違いはあるといえ、まずは男性受けする装い、すなわちビジネスについての装いから学び直すのがベターでしょう。なぜなら、その方がよりロジカルで分かりやすいからです。「ファッションセンス」という男性にとっては理解しにくい感性が入る余地が少ないからです。
では次回から、最初はトラウザーズ(スラックス)についてお話していくことといたしましょう。
(次回は8月22日号掲載)
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〈プロフィル〉 ケン青木(けん・あおき) ニューヨークに21年在住。日系アパレルメーカーの米国法人代表取締役を経て、現在、注文服をベースにしたコンサルティングを行っている。日本にも年4回出張。

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