〈コラム〉長期的なゴールを見据えた行動 目先の利益だけを考えると思わぬ落とし穴

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「永野・森田公認会計士事務所 日下武」ビジネスのツボ 第53回

「どうすれば良い会社をつくれますか?」と経営者の方に相談をされることがよくあります。経営者にとって良い会社とは具体的にはどのような会社なのでしょうか。年商売上が高い会社、ブランド力のある会社、借金がない会社、良い人材が集まる会社など、いろいろな経営者がいるのでいろいろな良い会社の定義が存在します。どのような会社を目標にするかで戦略も変わってきます。まず、自分のつくりたい会社が具体的にわかっていれば、計画も練りやすいです。

ビジネスですから、まず利益に目をむけて、「儲かる会社をつくりたい」と目標設定をつくったとします。さて、どうすれば儲かる会社をつくれるでしょうか。数字的だけ考えると、儲かる、つまり簡単に言うと売上を上げて経費を抑えれば利益がでます。ただ、長期的な目標を立てず、目の前の利益だけを考えると思わぬ落とし穴がある場合があります。この世の中、スーパーのレジや空港の検査など長蛇の列に並ぶ機会がたくさんあります。いくつかの列があり、選択できるとして、目先の列の人数だけに目を向けて急いでその列に並ぶと、その先が実は外回りに大きく曲がっている列で最終的には、長く見えた列が内回りに目的地につき、早いこともあります。

イソップ物語にも馬とロバの話というのがあります。ある飼い主が馬とロバに荷物を持たせて旅をしていたとき、ロバが疲れて、少しだけ荷物を持って欲しいと馬に頼んだのですが、馬が目先のことだけ考えて、ロバの荷物を持ってあげなかったので、ロバは死んでしまい、結局、馬は自分の荷物とロバの荷物両方を全部持つことになるという話です。

普通に経営ができている会社なのに、もっと利益追求のために、急にセールスマンに朝から晩まで馬車馬のように働かせ、経費節約で出張代はけちり、昇給はなしにしたとします。転職可能な優秀な人材は退職するので、さらに人件費は減少し、短期的にはたくさんの利益があがるでしょう。ただそれでは働いている人はやる気をなくし、ブラック企業という言葉もあるとおり、会社の評判も落ち、そうすれば、2度と良い利益は期待できなくなります。

逆に今はコストをかけて、福利厚生や環境などに貢献し、会社のブランディングを高めておくと、長期的には良い人材が集まり、さらに値段勝負の過当競争に巻き込まれることなく、安定した利益を生む、本当の意味での儲かる会社をつくれるかもしれません。
(次回は7月第2週号掲載)
takeshi%20001[1]〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) 永野・森田公認会計士事務所NJ拠点マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を活かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーまで、幅広く顧客を持つ。

ウェブ】www.nagano-morita.com/ Tel:201-363-0050 E-mail:[email protected] 2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ
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