〈コラム〉投資不動産売却時の税金対策 米国税法1031同種交換で課税繰り延べ

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「永野・森田公認会計士事務所 日下武」ビジネスのツボ 第47回

銀行の利率は低く、貯金しているだけではお金が増えないのでどういった投資がよいかアドバイスを求められるのですが、残念ながら投資のプロではありませんので回答に困ります。そのような中、私の回りの富裕層の方たちは、アメリカは地震が少ないことやニューヨークの不動産価格が上昇傾向にありますので、不動産投資をされる方がたくさんおられます。今回はその投資不動産を売却する時の税金対策について考えてみたいと思います。

通常、不動産を売却して利益が出た場合、キャピタルゲインとして課税されます。ただ、投資目的の賃貸不動産などを売却して、同種の賃貸不動産を購入する時などは、その時点でキャピタルゲインを認識せず、課税を繰り延べする方法があります。この方法のことを米国税法1031同種交換といいます。同種交換は、不動産売買に限らず、要件をみたせば、不動産以外での同種資産の交換にも使用することができますが、今回は賃貸不動産物件の売買について注目していきます。交換の種類についてもリバース交換、同時交換、改良交換などがありますが、今回は一番一般的に行われる先送り交換についてのみ説明いたします。先送り交換を成立させるためには、投資不動産物件を売却してから45日以内に交換不動産物件を選定しなければなりません。選定には三つのルールがあります。一つ目にまず、3物件までは交換物件の価値に関係なく選定できます。そして、二つめに3物件を超えて選定する場合は購入物件の合計が売却物件の2倍の価値を超えてはいけないというルールがあります。三つめに、選定した物件の総額が売却した物件の総額95%に達していれば何件でも選定可能というルールがあります。そして、売却物件の取引が完了してから180日以内、またはその年度の申告書提出期限(延長申請をした場合はその期間も含みます)のいずれか早い方の日までに新しい不動産物件を購入する必要があります。これに加えて、重要な要件として、適格仲介人に仲介してもらい、実質的な現金の受領を回避するということがあります。納税者が新しい不動産の購入前に資金を自由に使用できる権利を持ってしまえば、取引全体が交換ではなく、売買とみなされます。その結果、キャピタルゲインを認識しなればならなくなります。この問題を避けるために適格仲介人のルールがあります。今回は簡単に1031 Like-kind exchangeについて説明いたしましたが、興味がある方は、税務専門家に相談することをお勧めいたします。
(次回は1月第2週号掲載)

takeshi%20001[1]〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) 永野・森田公認会計士事務所NJ拠点マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を活かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーまで、幅広く顧客を持つ。

ウェブ】www.nagano-morita.com/ Tel:201-363-0050 E-mail:tkusaka@nagano-morita.com 2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ
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