〈コラム〉人件費は確実に上昇、今後の対策を

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「永野・森田公認会計士事務所 日下武」ビジネスのツボ 第59回[L]

マンハッタンにはたくさんの日系企業がありますが、なかでもレストランのサーバーはチップ制が多いために、最低時給レートを支給されているところが多いと思います。ただし、マンハッタンは客単価が高い店が多いので、チップの金額が多くもらえるので、サーバーの手取り額は少なくありません。日本から進出してくる飲食系の企業は、マンハッタンの家賃に驚きますが、チップ制ということで日本と比べて人件費を抑えられることで、家賃分の穴埋めをしていました。しかし、マンハッタンでも2015年12月31日からチップサーバーの最低時給が急激にあがり、5.00ドルから7.50ドルになりました。この上昇により、サーバーを多く使うレストランはかなり人件費が上がったと聞きます。チップ制でない従業員も最低時給が上昇しています。

NY Cityの最低賃金

それでは、これからどのように最低時給が上がっていくのでしょうか。NY州ではNY City、Upstate、そしてDownstateの三つの区域に分かれて上がり方が異なります。今回はNY Cityの一般のレストランで働く従業員の最低時給についてみていきます。NY Cityでは従業員が11人以上か11人未満によって、最低時給が変わってきます。現在発表されているスケジュールでは従業員が11人以上の場合、チップ制でない従業員は、2016年12月31日から11.00ドル、2017年12月31日には13.00ドル、2018年12月31日には15.00ドルまで上がります。チップ制の従業員については、2016年12月31日から7.50ドル、2017年12月31日には8.70ドル、2018年12月31日には10.00ドルまで上がります。チップ制の従業員でチップが十分にもらえない場合(チップ制でない従業員の最低時給に満たない場合)はチップクレジットというもので雇用者が、チップ制でない従業員の最低時給との差額を保障する義務があります。

従業員が11人に満たない場合は、上がり方が少し緩やかになり、チップ制でない従業員は、2016年12月31日から10.50ドル、2017年12月31日には12.00ドル、2018年12月31日には13.50ドル、2019年12月31日には15.00ドルに上がります。チップ制の従業員については、2016年12月31日から7.50ドル、2017年12月31日には8.00ドル、2018年12月31日には9.00ドル、2019年12月31日には10.00ドルまで上がります。こちらもチップクレジットの制度があります。

いずれにしても、現在、最低時給を支給している飲食店の人件費は確実に上昇していきますので、今後の対策を練らなければいけません。チップ制のサーバーの手取りが、レストラン管理職の給与を超えるケースも普通になるかもしれません。

(次回は1月14日号掲載)

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〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) 永野・森田公認会計士事務所NJ拠点マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を生かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーマで、幅広く顧客を持つ。

ウェブ】www.nagano-morita.com/ Tel:201-363-0050 E-mail:tkusaka@nagano-morita.com 2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ

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