〈コラム〉大きなメリットは2点 帳簿付けのススメ

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「永野・森田公認会計士事務所 日下武」ビジネスのツボ 第25回

あっという間に1月が終わり2月に入ってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
最近、お蔭様でたくさんの企業様や自営業者様の新規お問い合わせを頂いておりますが、今回は自営業者様からよくあるご質問について執筆しようと思います。
お一人やご夫婦で小さく始め、どのタイミングで本格的に帳簿付けを始めたら良いでしょうかというご質問を良く受けます。帳簿付けはビジネスをする上でとても役に立ちます。ビジネスを始めると同時にしっかりつけておくべきなので、どのタイミングというものはないというのが答えになるかも知れません。それでは、どういうことがメリットになるか、大きくいうと2つあります。まずは内部の情報分析に役立つということです。収入、支出、利益を把握することにより、今の経営の現状が見えてきます。会計情報から、バランスシートやインカムステートメントなどの財務諸表を作成いたしますが、例えば、売り上げに対して、仕入れ費用が何%、人件費が何%など、業界の平均と比べることにより、自分の会社の強いところ、弱いところが分かってきます。更に長い期間、情報を累積し、経営の傾向が見えてくると計画作成にも役に立ちます。あるレストランを例に取ると冬に売り上げが上がるが、夏になると下がるので、夏はできるだけ経費を抑える、または夏用の商品開発に力を入れるなど対抗策を考えることができます。他にも現在の資産に対して、負債がいくらあるか、在庫の状況など、経営分析に必要な数字が見やすくなります。
2つ目のメリットは外部への情報開示をしやすくなる事です。法人の税務申告作成時は基本的にバランスシートやインカムステートメントの情報が必要になります。日常から帳簿付けをすることにより、ぎりぎりになって焦る事はありません。他にも銀行で借り入れする時など会社の経営状態を開示するために良く使われます。
帳簿付けをするためにシステムを導入するというと高額に聞こえるかも知れませんが、小規模であれば市販の帳簿ソフトを使用するのが、リーズナブルだと思います。一般的なものであれば200ドル程度で販売されていますが、情報を入力することにより、財務諸表作成はもちろん、経営分析表も簡単に出すことができます。
入力方法は慣れれば難しくはないのですが、最初が肝心ですので、専門家のアドバイスを受けたほうが良いかもしれません。
(次回は3月第2週号掲載)

takeshi%20001[1] 〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) 永野・森田公認会計士事務所NJ拠点マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を活かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーまで、幅広く顧客を持つ。【ウェブ】www.nagano-morita.com/ Tel:201-363-0050 E-mail:tkusaka@nagano-morita.com 2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ
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