〈コラム〉H―1Bビザの最新情報

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2010年会計年度分は定員枠到達

2010年会計年度分のH―1Bビザ申請は、09年12月21日に締め切られました。よって、米国移民局は09年10月1日に雇用が開始した10年会計年度分H―1Bビザのいかなる申請も受け付けないとしています。09年12月21日に受領されたH―1Bビザ申請については、コンピューターによる抽選に掛けられ、その中から選び出された件が審査されます。つまり、抽選にもれた申請は却下されます。
年ごとの定員枠数の制限が無いH―1Bビザ申請については、米国移民局は随時受け付けています。これらの申請は就業開始予定日の6カ月前からであればいつでも申請可能です。該当するケースは、H―1Bビザの延長申請、修正申請、同時申請、また雇用先の変更申請などです。また、高等教育機関(短期大学や四年制大学)や関連の非営利団体、非営利調査機関や政府の調査機関での雇用によるH―1Bビザ申請についても随時受け付けています。

4月1日開始の2011年会計年度分申請について

6年分のH―1Bビザを取得し、有効期限を使い切っていない外国人就労者の申請にも枠の制限がありません。
米国移民局は、来たる11年会計年度(10年10月1日〜11年9月30日)分の新たなH―1Bビザの申請を今年4月1日から受付開始します。申請した時期にもよりますが、申請が承認されれば今年の10月1日から、またはそれ以降から新たなH―1Bビザでの雇用の開始が許可されます。
過去にH―1Bビザの枠数が4月1日当日と翌日の4月2日に満了してしまったことがありました。昨年は09年12月21日まで枠数が埋まらず、結局満了まで9カ月も掛かりました。申請時期がこれほどまで延長された原因としては、経済状況の悪化や外国人より米国人の雇用が優先されたことにあるといえるでしょう。翌会計年度は雇用市場が改善されそうですが、実際の雇用改善はそれほど急速には改善されないようです。
ただし、H―1Bビザを申請予定の雇用主の皆さまには、10年4月1日の申請に向けて早めに準備を始められることをお勧めします。
雇用主の方々に念頭に置いておいていただきたいのですが、米国労働局は現在、労働状況申請(LCA)の承認までに最低7日間を費やします。H―1Bビザ申請にはこのLCAの添付が必須となります。よって、雇用主は担当弁護士がH―1Bビザ申請を移民局へ完了するまでに、この7日間も含めた期間を想定しておく必要があります。

枠数について

例年のH―1Bビザの枠数は6万5000件となっています。米国移民局がH―1Bビザの枠数が満了したと確認した時点で申請は締め切られ、それ以降の申請は受け付けられません。この数字には、審査後却下されるものや取り下げられるものも含まれます。
6万5000件の枠数内には、シンガポール国籍やチリ国籍者用に設けられた6800件の特別枠(H―1B1)も含まれています。つまり、6800件すべてが満了すると、そのほかのすべての国籍者への実際の残数が5万8200件となるということです。この6800件のうち、未使用の部分(あるいは未使用と見積もられた部分)は本来の枠数へ戻されます。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
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過去の一覧
(「WEEKLY Biz」2010年1月23日号掲載)

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