〈コラム〉米日教育交流協議会・代表 丹羽筆人「在米親子にアドバイス」日米の教育事情

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日本より積極的な海外の子ども

海外生活での体験で積極性と独創性を身に付けよう

米日教育交流協議会主催の日本語・日本文化体験学習プログラム「サマーキャンプ ◇ ぎふ2012」が終了しました。7月上旬から中旬の第1期では、地元の小中学校や高校に体験入学して同学年の子どもと交流しますが、7月下旬から8月上旬の第2期では、夏休み中の子どもとの交流を組み込んでいます。今年度も実施期間の中で数回交流する機会がありました。
米国など海外在住のサマーキャンプ参加者と日本の子どもが交流する様子を見ていると、日本の子どもが消極的であると感じます。情報交換の場でも、海外の子どもが積極的に発言するのに対し、日本の子どもは譲り合っています。また、海外の子どもが話しかけても、日本の子どもは尻込みしていることもあります。さらに諸活動への取り組みも海外の子どもが積極的です。例えば、ものつくり体験などで、海外の子どもが道具や材料を我先にと取りに行くのに対し、日本の子どもは様子を見ながら後ろに回って取っています。一方で、日本の子どもは講師の説明を聞いた上で進めるのに対して、海外の子どもは講師の説明を聞かずに勝手に進めてしまうこともしばしばです。しかし、作品が独創的であると感心されることもよくあります。
このような違いは、日本と米国など海外の教育が異なることが影響していると思います。米国では積極的に発言することが重視され、教師の指名の有無にかかわらず自由に発言しても問題ありません。クラスメートと討論をしたり、みんなの前で発表したりする機会も豊富です。また、優秀な生徒を表彰したり、特別扱いしたりすることもあります。日本では教師の説明を聞くことが求められますし、指名されないで勝手に発言するというのは好ましくありません。順位や勝ち負けを明確にしないような平等主義も目立ちます。「出る杭は叩かれる」的な雰囲気もあり、目立たないようにすることも多いようです。
実は、私はサマーキャンプに参加する子どもの積極性は評価しているものの、人の意見を聞かず、自分勝手な行動をするという点を注視し、譲り合いや思いやりの精神、人の意見を聞く態度などを徹底的に指導しています。それは、彼らが大人になった時に日本や日本人に関わって生きるために必要なことだからです。
一方で、海外での滞在期間が短い子どもには、海外の子どもたちの長所を身に付けて帰国することをお勧めします。日本でも英語教育がますます充実し、英会話のできることは当然になってくるでしょう。しかし、海外生活ができる子どもは決して多くはありません。この機会を活かして、積極性と独創性を身に付け、国際社会で通用する日本人に育ってくれることを願っています。(次回は9月22日号掲載)(「WEEKLY Biz」2012年8月25日号掲載)
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米日教育交流協議会のウェブサイトにて、当コラムのバックナンバーもお読みいただけます。
UJEEC Website: www.ujeec.org

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