〈コラム〉「理香先生の歯のアドバイス」第2回

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予防と衛生による歯の健康状態

自宅でのケアと歯医者でのクリーニングが有効

口腔内を健康に保つことは、どの年齢層の人々にとっても大切なことですが、しばしば軽視されがちです。気が付くと口の中に栄養不足や別の病気のサインが現れていたり、または損傷による問題などが出てきたりします。
最近では、歳をとっても自分の歯を保っている人が増加していますが、それでも虫歯は世界共通の病気の一つです。大多数の人はいまだに歯痛や何か問題が生じた時にだけ歯医者に行くことが多いのではないでしょうか。もし、あなたが歯痛や歯茎の問題を抱えているとしたら、早急に歯医者に行って検査をしてもらうのが賢明です。時間が経つほど状態は悪化し、それによって歯の治療費も高額になりかねません。現在、歯科学技術の進歩により、検査と治療法はより高精度かつ快適になりました。
ここで、一生健康な歯を保つための幾つかのアドバイスをしましょう。
まず、年に2回の定期健診と歯医者、あるいは歯科衛生士による歯垢や歯石を取り除くクリーニングをお勧めしています。歯垢は粘着性があり、歯に付着すると歯垢内のバクテリアが食物に含まれる炭水化物を栄養源として酸を生成し、歯にダメージを与え虫歯になりやすくします。毎日の歯磨きで磨き残した歯垢は、石灰化して歯石に変化してしまい、歯科医院等で除去することが必要になってきます。歯石や歯垢は歯茎の炎症の原因にもなり、放置しておくと歯周病の進行につながり、歯周組織の破壊に結びつきます。
まず、歯垢を取り除くため、そして歯石の蓄積を避けるために一日1回フロスを使い、歯ブラシでは取れない歯の間に詰まった食べ物を取り除きます。フッ素入りの歯磨き粉で朝夕2回、できれば毎食後に歯磨きをする習慣を付けましょう。その時、舌も一日1回は優しく擦ります。歯磨きの時には必ず柔らかい歯ブラシを使うようにします。硬い歯ブラシは歯磨きをしっかりしたように感じられますが、実際は歯のエナメル質や歯茎を傷付けてしまいます。柔らかい歯ブラシは歯の輪郭に沿って歯と歯の間に入るので歯垢を取るのに有効です。普通の歯ブラシも電気歯ブラシも3カ月に1回は取り替えるように気を付けましょう。
また、歯を清潔に保つこと以外に、バランスの取れた食事を取ることや食間のスナックを減らすことも大切です。
このように、自宅でのケアと歯医者でのクリーニングで、一生健康な歯を保つことは可能です。ほとんどの歯や歯茎の病気は予防と早期発見が何よりも有効かつ不可欠です。
Rika Furukawa〈プロフィル〉古川理香(ふるかわ りか) メリーランド大学ボルチモア校歯学部卒業。AGD、ADA、NYSDA会員。ニューヨークで歯科医として「Rika Furukawa, DDS, LLC.」開業。

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