〈コラム〉「理香先生の歯のアドバイス」第11回

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虫歯予防に有効な天然素材の甘味料

キシリトール入りのガムや飴を甘い物の代用に

私たちは、子供たちの虫歯を頻繁に見つけます。子供は、甘い食べ物やスポーツドリンク、ソフトドリンクが好きですが、それらを摂取することで、虫歯の育成をさらに進行させます。毎日の歯磨きとフロスの使用が虫歯予防になりますが、近年では子供にとってキシリトールが虫歯予防に効果的だと言われています。キシリトールは、樹木や、果物、野菜の繊維に含まれている自然の糖アルコール(自然甘味料 )で、さまざまな種類の錠菓やチューインガム、又は粉末ドリンクにも使用されています。
この自然甘味料は虫歯の原因になるどころか、反対に子供たちの虫歯予防に役立つことが分かっています。一般的にみて、子供は甘いものや、歯にくっつくようなお菓子が好きで、こういった甘いものやドリンクに含まれる糖分が口の中で分解され、虫歯の原因となる酸を発生させます。しかし、キシリトールは、歯を溶かす酸を生成しません。
過去何年間かの調査で、「キシリトールの虫歯対策は一日に5回、もしくは6〜10グラムのキシリトールを含む食べ物を摂取すること」だと発表されました。しかも、一度に沢山摂るよりも、一日のうちに数回に分けて摂取することを薦めています。口腔内の細菌にキシリトールが働きかける回数が多いほど、虫歯予防に有効だからです。
逆にキシリトールの摂りすぎは下痢や胃腸障害になる可能性がありますが、初めての摂取から数週間で体に馴染んでいくことが分かっています。ほかに大事な点として、キシリトールは4本足の動物にとって有毒で、少しの量でも犬が死んでしまうこともあるので、ペットの手の届かない所に置くよう気をつけなければいけません。
総合的にみると、キシリトールは甘いものに含まれている量が多く、そしてシュガーレスであれば虫歯になる恐れが少なく、子供の甘いものに対する欲求を満たしてくれます。キシリトール入りのガムや飴は甘いスナックの代用として、安全な虫歯予防対策になるでしょう。
Rika Furukawa〈プロフィル〉古川理香(ふるかわ りか) メリーランド大学ボルチモア校歯学部卒業。AGD、ADA、NYSDA会員。ニューヨークで歯科医として「Rika Furukawa, DDS, LLC.」開業。

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