〈コラム〉非移民ビザのステータスとパンデミック

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雇用者と被雇用者は現行のルールに頼ることに

新型コロナウイルスによるパンデミックは、米国内における全ての労働者と雇用者の方々に非常に困難な状況を作り出すことになりました。ここには米国人の労働者、そしてH-1Bビザ、L-1ビザ、Eビザ、O-1ビザなどの非移民ビザあるいは一時的なビザで働いている外国人の労働者が含まれます。

解雇された方、そして解雇あるいは一時帰休になる恐れのある方を含む雇用状況に関することで、企業クライアント、そして個人のクライアントの多くの方々から連絡を頂いています。米国政府は、新型コロナウイルスによって仕事を失ったり一時帰休になった外国生まれの労働者の方々に対する救済やガイダンスについては何も出していません。そのため、雇用者と被雇用者は現行のルールに頼ることになります。

H-1Bビザ、L-1ビザ、Eビザ、あるいはO-1ビザの従業員で、解雇されたり一時帰休になった方は、60日間あるいは許可を与えられた滞在期限の終了日のどちらか早い日まで、そのステータスを維持することができると考えられます。従業員の方々は、この期間を、滞在の延長申請と共に、新しい非移民ビザの嘆願書(Form I-129)をファイルする別の雇用者を探すことに使うことができます。

別の選択肢としては、この60日間の猶予期間中に、解雇された従業員が、B-2のビジター・ビザ、あるいはF-1の学生ビザ(先に許可された学校からI-20を受領する必要があります)などの別の移民ステータスへの変更をファイルすることがあります。

従業員がそのビザのステータスを別の雇用者の下で延長できず、あるいは別のビザのカテゴリーへと変更できない場合、その方は米国を去ることを求められます。ステータスなく米国に滞在することは、移民上の深刻な結果をもたらすことになります。外国籍の方がステータスのないまま米国に180日間滞在を続けてから米国を去ると、その後3年間米国に戻ってくることを許されなくなります。外国籍の方がステータスなしで1年間以上滞在を続けて去った場合には、その後10年間米国に戻ることができなくなります。

一時帰休とは何か。そしてH-1Bビザでの雇用への影響は?

一時帰休とは、仕事や資金の欠如から、あるいはその他の懲戒上以外の理由によって、雇用者が被雇用者を一時的に非生産的な給与のないステータスにすることです。通常一時帰休の従業員は、非生産の間、ベネフィットを受け続けることができます。一時帰休の従業員は元の同じ雇用者のところに戻ることになります。

雇用者の責任は?

雇用者は、労働条件申請書(LCA)に従って、一時帰休になったH-1Bビザの従業員に対して求められた賃金を払うことになります。雇用者がH-1Bビザの従業員の労働時間を減少する(フルタイムからパートタイムへ)ことを選んだ場合には、そのような行動はLCAの下で求められる雇用条件の重大な変更にあたると考えられます。雇用者は、被雇用者の代わりに、LCAの変更とH-1Bビザの嘆願書をUSCIS(米国移民局)にファイルすることが必要になります。

雇用者がH-1Bビザの従業員に支払う義務は、雇用が誠意をもって終了した時にのみ終わることになります。雇用者はUSCISにその終了を通知し、米国労働省にファイルされているLCAを撤回することが必要になります。

詳細やご質問につきましては、以下にご連絡下さい。

(次回は6月第4週号掲載)

〈今週の執筆事務所〉リチャード A. ニューマン法律事務所
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